Search Log Admin
最近の動き

●トピックス
★釜ケ崎のまちスタディツァ〜2020募集中(オンライン開催可)      ★カマやんグッズはじめました。(PDF形式:ポスター)
★「定例ひろば」実施記録(PDF形式:2012年7月2日 更新日)      ★住民票問題Q&A      ★『フワフワくん日記』

  第222回まちづくりひろば実施報告/2022年6月6日(月)
Date: 2022-08-27 (Sat)
▼テーマ:京都ジョブパーク視察 
▼共催:大阪府商工労働部雇用推進室
(あいりん地域労働施設検討会議での議論の参考とする先行事例調査という目的があるため)
▼講師:
竹村 伸彦 さん(京都府商工労働観光部雇用推進室)
高橋尚子さん(京都自立就労サポートセンター)
▼参加者:25人

●内容:ホームレス用シェルター(住居)を確保するなどの単純な施策くらいしかアイデアがなかった苦難の90年代末から、08年のリーマンショック直後などのサポート模索を経て掴んだキー施策を一つひとつ施設に織り込んでいって、
そうして今日の総合拠点に到達したのだろう。その軌跡を実感した。
そして今、運営の課題も大阪と同じ方向を向いているように思えたので、参加者には「参考になった」という反応が多かった。
質疑も活発になされた。あいりん地域まちづくり会議、特に労働施設検討会議での今後の議論の促進につながることを期待したい。
以上

  第221回まちづくりひろば実施報告/2022年1月26日(水)@西成プラザ
Date: 2022-08-27 (Sat)
▼テーマ: 生活困窮者への居住支援〜政策の見取り図と今後のあり方〜
▼共催: 萩之茶屋地域周辺まちづくり合同会社
▼講師:垣田 裕介准教授(大阪市立大学大学院生活科学研究科)
▼参加者:29人。
共催団体である萩之茶屋地域周辺まちづくり合同会社の萩之茶屋生活・相談サポートセンターのスタッフを中心に、
地元の就労・福祉・医療系の諸団体・行政所属の方々、在阪マスコミ、東京・名古屋の研究者の方々。
●内容(で印象に残ったこと):
ホームレス状態にまで陥る危険度が高い不安定居住者は民間営利部門(社員寮、飯場、簡易宿所、ネットカフェ、カプセルホテル等)に相対的に多く存在していて、
(すぐに生活保護のコースではなく)就労で立て直そうとする層であることが調査で判明。住宅確保給付金のニーズも高く、
ここへのピンポイント的な居住支援と総合支援が必要、という指摘だった。
以上

  オンラインセミナー兼2021年9月まちづくりひろばのご案内
Date: 2021-09-29 (Wed)
<通算220回目 Since 1999> 
----------------------------------------------------------------------------------------
●テーマ:
社会と地域の目利き力   〜ソーシャル企業認証の必要性と社会的金融〜
<趣旨>
今、京都で始まっている新しい社会的試み、「ソーシャル企業認証制度」というものについて学びます。
それが今後、大阪や西成のまちづくりにおいても取り組めるものなのかどうか、その必要性や課題などを考えます。

ご案内チラシを添付します→
https://drive.google.com/file/d/1uhZYQc4cMzPQmbN1EsPfDVy6t9N1NEFe/view?usp=sharing

----------------------------------------------------------------------------------------
●開催概要
日 時:9月30日(木) 18:30〜20:30
参加費:無料
場 所:原則、オンラインのみ
定 員:200人
主 催:NPO法人福祉のまちづくり推進機構
共 催:釜ヶ崎のまち再生フォーラム
●申し込みはこちらから。
https://forms.gle/RPAUApXeLFUAygER8
*追って、ご記入いただいたメールアドレス宛に当日の案内(ZOOM URL)が送られてきます。

●講師
深尾 昌峰(ふかお まさたか)さん (龍谷大学 政策学部 教授) 
熊本県出身。1998年きょうとNPOセンター設立、2009年に公益財団法人京都地域創造
基金の理事長に就任。市民による持続可能な地域づくりのエコシステムづくりを展開。
2012年に社会的投資をデザインする非営利型企業の株式会社PLUS SOCIAL を起業、代表
取締役に就任。2016年4月にプラスソーシャルインベストメント株式会社を共同起業し代表
取締役会長に就任。現在、龍谷大学政策学部教授、G8社会的投資タスクフォース国内諮問
委員会委員、東近江市参与等を務めている。
●ファシリテーター
大阪市立大学 菅野 拓さん

●お問い合わせ(ありむら潜)
arimura1000@gmail.com

以上

  2020年11月ひろばのご案内
Date: 2020-11-03 (Tue)
コロナ感染予防対策をとる必要から予約制とします。
参加希望者は事前に当フォーラム事務局(ありむら潜)までご連絡ください。

<通算219回目 Since 1999> 
----------------------------------------------------------------------------------------
(仮題)コロナ禍の真っただ中で、あいりん地域でのまちづくりを公衆衛生学の立場から考える
〜大阪社会医療センターの12/1移転完了・新ステージ移行にも絡めて〜

ゲスト・スピーカー:高鳥毛 敏雄(たかとりげ・としお)さん
関西大学 社会安全学部安全マネジメント学科 教授

   *高鳥毛教授は、あいりん地域のまちづくりがボトムアップ型で自主的に始まった早い段階(00年代)から、日雇い労働者・特掃労働者・シェルター宿泊者等の結核予防対策等を通して当地域に関わっておられます。すでにその頃から感染症対策全般の全国的脆弱化についても継承乱打されていました。そして、そのとおりの状況が露呈してしまいました。こうした経験の中から、あいりん地域では地域として・何を・どのように・取り組むべきか、その方向性を示唆していただき、みんなで考える場としましょう。

    高鳥毛先生に関連する記事(共同通信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d3b50d31134ff5f3e6c2a3c3f0e328a9140fc54?page=1

    ▽関連報告と解説:
    「あいりん地域まちづくり会議の議論の最新内容、特にあいりん総合センター跡地の利活用の具体案等について」 
寺川政司さん(あいりん地域まちづくり会議座長/近畿大学建築学部 准教授)
    
----------------------------------------------------------------------------------------

▼日時:2020年11月12日(木曜日) 18:30〜本題19:00〜20:45 
▼会場:太子福祉館(太子中央ビル3階。「大阪市立大学西成プラザ」としても利用される集会室の、本来呼称です)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを開き、中へ入る。(ただし、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)
▼主催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼参加予約・お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
mail:arimura1000@gmail.com
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

  2019年12月27日日経新聞(夕刊)記事の誤報に対する訂正要望書
Date: 2020-01-10 (Fri)
■■日本経済新聞(2019年12月27日夕刊一面)記事
『あいりん 強まる観光色』に対する訂正要望書■■

日本経済新聞社 様

新たな年を迎え,御社におかれましてはますますご清栄のことと存じます。
この度,報道いただきました西成やあいりん地域(≒釜ヶ崎)は,常に多面的な問題が複雑にからんでいるなかで,様々な立場の人々が違いを乗り越えながら丁寧に議論を積み重ねてきておりますが,これまでメディアによって誤報やミスリードが繰り返され,その都度,地域住民は翻弄されてきた経緯があり,丁寧な取材に基づく正確な報道を求めてきました[1]。
残念ながら2019年12月27日御社夕刊に掲載されました記事が,世間に間違ったメッセージを広げるとともに,現在地域に混乱をもたらしており,今後のまちづくりに深刻な事態を起こすことが懸念されております。以下,その問題点および事実誤認に関して私たちの見解を述べ,本報道に関して下記内容(問題点)について御社のご弁明および記事の訂正を求めさせていただきたく存じます。

問題点1:正確さにかける(未確認状態)記事による読者に対するミスリードと地域に混乱を生じさせていること
この記事が電子版で配信されるとまもなく重大な誤りが西成区より指摘され,記者も一部を修正したと担当部局より伺っておりますが,すでに修正されずに配信・配達された経過があります。未修正箇所が指摘され,議論の主体である地域委員や有識者への取材もなく,記事の正確さに問題があるまま,記事全体を通して‟この地域が「労働」から「観光」に移行する”,という強烈なインパクトを伴って読者をミスリードする基調となっています。そのことで,あいりん地域まちづくり会議のさまざまなテーマ別検討会議での議論に参加してきた幅広い人々の強力な違和感や憤慨を引き起こして地域に混乱が生まれています。
問題点2:記事本文内容の事実誤認について
@「地域住民がまとめた跡地活用案」
記事では「まとめた」とありますが,議論するための「たたき台案」は出ているものの,現時点ではあいりん総合センター跡地の南側部分に労働施設(西成労働福祉センターとあいりん職安)を設ける方向性が定められたにすぎません。敷地北側部分の住民福利機能や施設配置案については,付帯意見として本会議(あいりん地域まちづくり会議及びワークショップ)に労働施設検討会議として申し送って全体で議論することになっています。
A「地域住民らがテーマ別に活用案を話し合っていた」
これは「話し合っている」が正確です。
B「新今宮駅に近い北側に,屋台を出せる広場などを整備する構想をまとめた」
個々の地域委員からは意見が出ていますが,まとまっていません。電子版の記事では西成区からの指摘を受けて「意見が多く出た」と修正されています。
C「ただ,住民の利便性向上やにぎわい創出に向けた具体策を必要とするなど3点の条件を付けた。」
 地域委員たちが喧々諤々の議論の末に付帯したこの文言は次の3点です。

 「住民の福利」・「にぎわい」のゾーニングの提示時期が令和2年3月であることを了解する。
 「住民の福利」・「にぎわい」の具体的内容をこれまでの意見を踏まえて早急に示すこと。
 あいりん総合センター及び市営萩之茶屋第二住宅跡地の民間売却は認めない。
とくに,これまで積み重ねてきたまちづくりの議論を踏まえない,民間売却による「観光化」やジェントリフィケーションを起こすような事業には与しないことなどが最重要検討事項として議論をしているさなかです。コミュニティを元気にするための,幅広く多面的な意味で用いている「住民の福利」という言葉を記事では全く使用されず,「利便性向上」と「にぎわい創出」という字句だけを書いていることも労働者のまちから観光のまちに移行するという誤ったメッセージを発信する要因になっていると考えます。
 問題点3:本記事の見出し“あいりん 強まる観光色”なども相まって,全体がミスリード論調に
上述の@からCがトップ見出しや中見出しと一体となってミスリードを増幅していると考えます(電子版では” 大阪・西成、観光の街に 「あいりん」跡地に屋台村案“)。私たちにとっては,このような論調は大きな誤解を招き,地域を混乱させるため最も避けたいものでした。この度の御社の報道は,見出し等の紙面構成を含めて問題が大きいといわざるを得ません。上述したように,労働施設を南側に設置すること以外はまだ具体的には何も決まっていないなかで,なぜ夕刊1面でこのような方向性を断定するような記事や見出しになったのか,また,中見出しの「屋台村を整備」も地域委員の個人的な発言レベルの段階にすぎないものが(記事では「案」と書いているものの),決定したかのように伝わりかねないものになったのかについて御社のご見解をお示しください。

私たちは,歴史的にも困難な状況にあった地域における関係者間の相互不信を乗り越えようと,日々小さなつながりを丁寧に積み重ねながら少しづつ信頼関係を紡いできた経緯があります。とくに今回のテーマについては,2015年以降48回にも及ぶ労働施設検討会議での議論を通じ,お互いに完全に一致しないながらも次の議論や実践の場へとようやくたどり着いたものです。その発信については会議に参加しておられない地域の方々をはじめ,全国でこのまちの行方を心配されている方々にお伝えすべく,その内容や方法について丁寧に検討しようとしているところでもありました。
私たちの情報発信力の小ささからも,御社をはじめ報道機関のご協力は不可欠であると考えております。このまちの未来のためにも,御社のご見解を示していただくとともに訂正記事や再取材,そして今後このような問題を生じさせない方策提案など,現在生じている地域の緊急事態(混乱)へのご配慮をいただきますよう,何卒ご理解と早急なご対応の程,重ねてお願い申し上げます。

2020年1月8日
あいりん地域まちづくり会議 労働施設検討会議座長 大阪市立大学大学院教授 福原宏幸
同 労働施設検討会議 地域委員有志
西成特区構想有識者一同[2] <50音順>
ありむら潜 (釜ヶ崎のまち再生フォーラム事務局長) 労働施設検討会議有識者委員 他
白波瀬達也 (桃山学院大学社会学部准教授) 就労福祉・健康専門部会座長 他
寺川 政司 (近畿大学建築学部准教授) あいりん地域まちづくり会議座長 他
永橋 爲介 (立命館大学産業社会学部教授) 公園検討会議有識者委員 他
松村 嘉久 (阪南大学国際観光学部教授) 駅前活性化検討会議座長 他
水内 俊雄 (大阪市立大学都市研究プラザ教授) 医療施設検討会議座長 他
村上 靖彦 (大阪大学大学院教授) 子ども子育て専門部会座長 他 

________________________________________
[1] 例えば,2019年6月の有識者提言「あいりん総合センター閉鎖(建替)に伴う現況についての見解」 https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000472044.html [西成区HP]
[2] 西成特区構想会議関係図 [西成区HP] https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000456/456416/2erimaneimage.pdf

  センター閉鎖(建替)に伴う現況に関する有識者一同の見解 〜取組みの経過や問題点の整理〜
Date: 2019-06-06 (Thu)
◆◇あいりん総合センター閉鎖(建替)に伴う現況に関する私たちの見解◇◆

― 取組みの経緯や問題点の整理 ―

2019年6月3日 西成特区構想有識者委員一同

あいりん総合センター(以下,旧総合センター)は耐震上の問題から,2019年3月31日をもって労働施設部分を閉鎖する予定でした。
しかし,閉鎖に反対される一部の方がシャッター下に座ったり車両をいれるなどしたため,31日に閉鎖することができない事態が生まれていました。
その後4月24日,管理者である国・大阪府は,閉鎖に抗議して旧総合センターを占拠する方への立ち退きを求めて労働施設部分を閉鎖しました。
しかし,現在も抗議する方(およびそれを支援される方)によって同センターシャッター前に抗議拠点がおかれた状態にあります。

4月以降,この状況について各種メディアによる報道やSNSが発信されていますが,残念ながら事実と異なる情報も散見されます。
これらの情報によってミスリードが生じては,この8年の歳月をかけて地域の人々が同じテーブルについて粘り強く積み重ねてきたまちづくりの取組みに深刻な影響を及ぼしかねません。
また,現在旧総合センター前にある仮移転先の労働施設における日雇労働者や求人事業所による早朝求人・求職活動等に混乱が生じています。
閉鎖に対して反対か賛成かの主張とは別次元で,早急にこの事態に対応すべき時期に来ています。
これらのことから,私たちは,2025年に旧総合センター跡地に本移転が予定されている労働施設の仮移転とそれに伴う閉鎖について,
そこを利用されている方に向き合ってきた事実を正確にお伝えするとともに,現況に関する私たちの見解を示したいと思います。

<多くの情報は西成区や大阪府商工労働部のホームページで公開されています。本稿注釈アドレスから当該サイトを閲覧ください>

2012年の『西成特区構想』発意を契機に,多様な主体が参画しながらあいりん地域のまちづくりについて議論を進めてきました[1]。
2015年以降はこれらの議論を継承する『あいりん地域まちづくり会議』[2]において,住民団体や労働団体など地域の29もの団体と国・府・市・区が集結して5つの検討会議
(市営住宅・医療施設・駅前活性化・労働施設・公園,関連してエリアマネジメント協議会専門部会)で議論を積み重ねています(労働施設検討会議のみでも本会議39回,調整会議を含めて80回を超えています)[3]。
なかでも旧総合センターの耐震性については,2008年に国,府,市等によって建替・改修にむけた耐震調査が実施されており,その結果,旧総合センターの構造耐震指標であるIs値は,
「(大地震時:震度6強〜7程度の)地震の振動及び衝撃に対して倒壊又は崩壊する危険性が高い」とされる0.3未満を大きく下回る数値でした(北側棟 0.208,南側棟 0.214)。
そこで国と府は,2015年に改めて労働施設のあり方を検討するために建替改修手法等に関する調査[4]を実施し,
旧総合センターに設置されている市営住宅,大阪社会医療センター(以下,医療センター),労働施設〔あいりん労働公共職業安定所(以下,職安)と西成労働福祉センター(以下,労働センター),寄り場(求人業者と求職者の集まるところ)および付随する福利厚生施設〕に関わる各検討会議がはじまりました。

そして,旧総合センター移転の是非,移転場所の確保,補強技術(デザイン)と使い勝手,改修工事期間と安全性,利用者への影響,そして費用対効果等を検討した結果,「建替えやむなし」という方針が決まり,市営住宅(第1・第2)と医療センターは萩之茶屋小学校跡地に移転,職安と労働センターは,いったん南海電鉄高架下に仮移転したのち旧総合センター跡地に本移転することが,同センターの耐震性に疑義を唱えられた一団体を除く全委員によって承認されました[5]。
その後,知事・市長出席のもとで開催された2016年7月26日の第5回あいりん地域まちづくり会議[6]にて建替えが正式に決定しています(現在,職安と労働センターは2019年4月に仮移転先に移転し,2025年に旧総合センター跡地に本移転予定。医療センターは2020年に移転予定。市営第1住宅も同年3月に竣工して現在転居中,市営第2住宅は2021年に移転する予定です。[7])

現在,医療センターが継続利用されている点については,利用者の人命に関わることから速やかに実施されることが望ましいのですが(来年竣工に向けて急ピッチで建替工事が進行中),各施設関係者や住民との合意形成,建設期間などの諸事情によって各施設の移転時期は異ならざるをえませんでした。@24時間施設であること,A精密機器があって容易に仮移転できないこと,B閉鎖した場合,地域の医療に重大な影響を及ぼすことなどによって苦渋の決断の上に継続利用されています。

また,職安,労働センターおよび旧総合センター1〜3階の日雇労働者の寄り場については,上記労働施設検討会議で議論を重ねてきました。
具体的には有識者による旧総合センター利用者に対するニーズ調査,地域支援団体等によるワークショップ[8]などの意見を踏まえ、
労働施設閉鎖・建替に際し,同所を日中の居場所として利用している方[9]に対して,様々な対応策を検討・実施しました[10]。
しかし,現状では使い勝手が悪いこともあり,今後も引き続き居場所として検討を重ねているところです[11]。
とくに,夜間にシャッターで閉じられた旧総合センター周辺で野宿をされていた方(閉鎖前約60名→閉鎖後約30名,2019.5.27,大阪市) [12]に対しては,なによりも“脱・野宿”の道が示される必要があります。
基本的には,野宿しなくてよい社会を目指すことが重要であり,人間の尊厳を尊重する立場からも,路上や旧総合センターのコンクリート床に寝ざるをえない状況は,放置できない事態であると考えます。
とはいえ「自分でできるうちは行政の世話になりたくない」,「生活保護を受けると付き合いがなくなり孤立する」という理由から路上での暮らしを選択する方がいます。
私たちは,本人の意思を尊重することが大切であると同時に,行政機関や地域団体などが取り組む巡回相談による見守り,相談事の受け入れ,意向確認が重要であり,生活保護利用を希望される方にはそちらへの移行を速やかに行うことが大切だと考えています。



私たちは,これらを基本的なスタンスとし,以下に見解を示したいと思います。



1. 旧総合センターは,現時点で耐震上極めて危険な建物である施設であるかぎり,野宿生活者等の利用とくに宿泊させることは人命保護の観点から容認されるものではないと考えます。

現在,旧総合センターは耐震上危険な状態にあることから,一刻も早く移転する必要があり,準備が整い次第閉鎖して災害時への対応をとるべきであると考えています。
なお,3月31日の旧総合センター閉鎖にあたり,これまで日常的に夜間閉鎖されていた旧総合センターを開放状態にし,野宿生活者等を夜間宿泊させることは,
人命保護・人権尊重・環境衛生の観点からみて懸念される事態であったと考えます。
これまで幾度にも及ぶ議論を積み重ねた経緯があり,同様に危険性を懸念する地域団体,労働支援団体もあることを踏まえていただき,
閉鎖に関する報道や情報発信等については,一方的・一面的な発信にならないよう,多面的で正確な情報に基づいた対応を求めます。

2. 旧総合センターシャッター沿いに置かれた荷物等によって,旧総合センター前に位置する仮移転施設における早朝求人・求職活動等に生じている混乱,そして公衆衛生の確保に対して早急に対応すべき時期に来ています。

4月24日以降,旧総合センターの閉鎖されたシャッター沿いの抗議拠点に置かれた荷物・車両等によって,現在,旧総合センター前にある仮移転先の労働施設における日雇労働者や求人事業所による早朝求人・求職活動等に混乱が生じています。
とくに毎年日雇い求人が増加する7月までに就労のための環境を整えないと,日雇労働者の求職活動に重大な支障をきたすことが懸念されています。
また,シャッター沿いに野宿の寝床等が多数固定化・密集することで,衛生環境が悪化して感染症が発生することも懸念されています〔野宿生活者が急増した1998年には地域に赤痢患者が多数発生(232人)〕。旧総合センター閉鎖に対して反対か賛成かの主張とは別の次元で,この事態に早急に対応すべき時期に来ています。

3. 安定した住居を持たず,旧総合センターを居場所とせざるを得ない方に対しては,引き続き社会福祉制度につなぐためのサポートを続け,地域のなかに選択可能な居場所をつくることが重要です。

これまで旧総合センターは夜間閉鎖されており,昼間居場所として利用していた方は,夜間に簡易宿所,あいりん臨時夜間緊急避難所(以下,シェルター),センター周辺の野宿場所へと移動していました。
2016年の建替が決定して以降は,行政とあいりん地域内で事業をおこなう社会福祉法人やNPOが一体となり,旧総合センターの労働施設とその周辺を利用する野宿生活者を社会福祉制度に繋ぐ努力を重ねてきた経緯があります。
そして居場所の代替機能として,既存シェルターをはじめ,仮移転した職安待合所(81席:トイレ・空調整備済)や労働センター施設(一部共用部)の利用時間延長や土日祝開放,そして隣接する萩之茶屋小学校跡地の一部(新萩の森「ふれあいひろば」以下,新萩の森)の暫定的居場所利用,地域内トイレの利用推進など,各種行政の縦割りを超えた対応が実現したことは特筆すべきであると考えています[13]。
とくに新萩の森を日中の居場所として利用できるよう進めてきた結果,旧総合センターの寄り場を利用していた多くの方に活用していただけるようになりました(現在約50名が利用)。
しかし現段階では,テントと日除幕,簡易トイレのみの緊急措置にとどまっていることから,夏にむけて地域と行政が協働してこの広場環境を整える予定です。

このように行政や地域の支援団体は,施設閉鎖について労働者・利用者等に周知する努力はしてきましたが,
いまなお当事者にとって安心できる居場所や生活機能等に関する不安が解消されてないという声もあります。
私たちは新たな居場所等の代替地については,地域全体を見渡して検討すべきであり,今後も地域住民・地域団体と行政が協働し,誰もが利用しやすい居場所づくりを推進することが重要であると考えています。

4. 噴出するホームレス問題に地域ぐるみで取組み始めた20年前から,地域内の対立関係の解消に向けて尽力してきました。
今後も引き続き対話を重ね,このまちの包摂力と地の利を活かした“再チャレンジ可能なまち”の具現化に向けたまちづくりが進むことを期待しています。

この地域は,20年前よりまちづくりという広がりのなかで,多様な主体が参画して深刻な地域課題解決を目指してきました。
2012年に西成特区構想が立ち上がった際も,行政のトップダウンによるスラムクリアランスへの危機感から,各主体の立場を超えたボトムアップ型まちづくりの場を構築してきた経緯があります。
一方,駅前をはじめ地域開発の波によってまちが大きく変化しつつある今,包摂力が失われることなく,地の利を活かした“再チャレンジ可能なまち”を目指して,私たちは2018年10月31日に『西成特区構想まちづくりビジョン2018〜2022有識者提言書』[14]を市長に提出しました(現在の具体的な事業につながっています[15])。
この提言でも整理していますが,現地建替えが予定されている新しいあいりん総合センターがより良い施設になるよう,労働者(利用者)をはじめ,行政・地域住民・地域団体が協働していくことが不可欠であると考えています。
まさにその具体化にむけた検討が進みつつある今,旧総合センター閉鎖に伴う混乱を早期に解消し,これまでの会議で議論されてきた労働機能と福利厚生機能を地域住民全体が利用できるまちづくりの方向性も含め,空間デザイン,管理運営手法,役割分担等の具現化が進むことを期待しています。



【西成特区構想有識者委員】

ありむら潜(釜ヶ崎のまち再生フォーラム 事務局長) 白波瀬達也(桃山学院大学社会学部 准教授)

寺川 政司(近畿大学建築学部 准教授) 永橋 爲介(立命館大学産業社会学部 教授)

福原 宏幸(大阪市立大学大学院 教授) 松村 嘉久(阪南大学国際観光学部 教授)

水内 俊雄(大阪市立大学都市研究プラザ 教授) <50音順>




[1] 西成区HP 西成特区構想 https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000168733.html
[2] 西成区HPあいりん地域まちづくり会議について https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000313493.html
[3] 西成区HP第10回 あいりん地域まちづくり会議 [資料8:あいりん地域のまちづくりに係る各検討会議の進捗状況等] https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/10siryou8.pdf
[4] 『あいりん労働センター建替え等基本調査業務報告書』の概要
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000336/336504/6tatekaetougaiyou.pdf

[5] 西成区HP第10回 あいりん地域まちづくり会議 [資料:労働施設検討会議議事のあらまし(H.30年度)] https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/10roudousisetukenntpoukaigi.pdf

[6] 西成区HP第 9 回 あいりん地域まちづくり会議 議事録
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/280726dai5kaigiziroku.pdf

[7] 西成区HP第 9 回 あいりん地域まちづくり会議 [資料3:あいりん地域まちづくり会議ニュースレター6 (前面)]
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/31.pdf

西成区HP第10回 あいりん地域まちづくり会議 [資料7:工事のスケジュールイメージ]
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/10siryou7.pdf

[8] 「センターの未来を提案する行動委員会」フェイスブック
https://www.facebook.com/futureofkamagasaki/

[9] 定期的な巡回相談ではH.30年の8月で60〜80名程度,H.31年の3月で30〜40名程度(自身の居宅を有する者と野宿状態の者の双方を含む),2019年,大阪市

[10] 西成区HP第10回 あいりん地域まちづくり会議

[資料4:あいりん労働福祉センターにおける野宿生活者への支援の実施結果まとめ]
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/10siryou4.pdf

[資料5:関係施設位置図]
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/10siryou5.pdf

[資料6:仮移転先の労働施設及び地域施設の運用について(案)]
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/10siryou6.pdf


[11] 西成区あいりんまちづくり会議公園施設部会「新萩の森ワーキンググループ資料」+こどもの里ワークショップ
https://9.gigafile.nu/0622-b0d5f12786363b618e428e1473e4ba28e

[12] 地域で夜回りなどの野宿者支援をしている支援者等による調査では,布団等の荷物置場も含めて〔閉鎖前〕約45か所,〔センター1F開放時の4/1〜4/24〕センター内外で約70か所

〔閉鎖後〕約50か所とカウントされています

[13] (再掲10) 西成区HP第10回あいりん地域まちづくり会議 [資料4:資料5・資料6]

[14] 西成区HP西成特区構想まちづくりビジョン有識者提言 (概要版)
https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/cmsfiles/contents/0000313/313493/10siryou3.pdf
(本 文)https://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000450779.html
[15] 西成区HP西成特区構想関連事業一覧
https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/cmsfiles/contents/0000457/457664/itiran.pdf


  2019年4月まちづくりひろばのご案内
Date: 2019-03-23 (Sat)
お待たせしました、と言うべきかも。このテーマ設定にもはや細かい説明は要らないでしょう。西成中華街構想のことはマスメディアを通して随分報道されていますので。遅まきながら、ようやくその本格学習の環境が整いました。「どう考えたらいいのか、よくわからん」という人が多いのが実情ですから、まずは冷静に情報と頭の整理です。
10連休という大型連休の前夜でもあり、リラックスした気分の中でいかがでしょうか。
本題の開始時間は通常より15分早めて、18:45からとします。質疑が盛り上がるなら終了の時間延長も可能です。

<通算217回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬------------
<1> 今話題の「西成中華街構想」についての本格的勉強会
中国の改革開放政策以後の新華僑による世界的展開と既存の中華街との違い。池袋や埼玉・西川口など日本各地の最近の事例紹介。その「西成版」の実相や課題。地域のエスニック資源と成り得るのか?ボトムアップ型まちづくりの視点から、地域は・あなたは、どう向き合う?

<2> この際、グローバルな不動産投資ビジネスの世界からニシナリはどう見えるのか、も学ぼう。
おいしいニッポン、さらにおいしいオオサカ、もっとおいしいニシナリなのか?

▽メイン・スピーカー
山下清海さん(地理学。立正大学教授、筑波大学名誉教授)
 やはりどんな道にもその研究者がおられるものですね。
世界に拡がる新興華人社会や日本国内各地での最近の動きにお詳しいどころか、西成のカラオケ居酒屋なども足繁くフィールドワークしておられるようです。
「西成の中華街構想については,池袋チャイナタウンと類似しており,私も危惧するところがあります。最初にボタンを掛け違えると,あとあと尾を引くことになってしまうのではないかと思います」とも述べておられます。
⇒山下教授の個人ホームページ  http://qing-hai.org/
 このホームページで先生の多くの近著の紹介がされています。
全世界に展開するチャイナタウンのフィールドワークを通じた紹介です。

⇒新聞記事切り抜きを添付しておきます。

▽サブ・スピーカー
・井本はる香さん(世界銀行 社会都市土地強靭性局 東京開発ラーニングセンター 知見管理官)
世界銀行は国連機関の一部で、昨年からあいりん地域を「インクルーシブ(包摂的)でレジリエントな(竹のようにしなやかなとか、復元力のあるの意)まちづくり」の事例として途上国の都市貧困対策担当者の研修の場として据え、西成とは良きパートナー関係にあります。研修は今年も実施します。西成やあいりん地域のまちづくりの良さを知る立場から、国際的な不動産投資ビジネスから見た当地域の現在評価や将来方向に関わる情報や知見を(さまざまな投資家や社会起業家からも新たに仕入れつつ)、総合的に語っていただきます。対応策の示唆もあるかもしれません。

・(地元から)西成区商店会連盟会長や有志、国際観光学や地理学教授、「あいりん地域まちづくりビジョン」提言の有識者委員など

-----------------------------------------------------------------------------¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬------------

▼日時:2019年4月26日(金曜日) (18:00会場)18:30 〜20:50(延長の可能性あり)
▼会場:太子福祉館(「大阪市立大学西成プラザ」としても利用される集会室の、本来呼称です)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ開き、中へ入る。(ただし、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)
▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼参加予約:不要
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話:090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

  特別篇まちづくりひろばのご案内(通算216回)
Date: 2019-03-07 (Thu)
--------------------------------------------------------------------------------------                   
〜『福祉のひろば』発刊40周年記念スペシャル〜
社会課題先端地域、釜ヶ崎(あいりん地域)でいま起きている大きな変化と取組みからとことん学ぶ。
▽釜ヶ崎から市民向けの、どこよりも早く・深く・まとめて学べる、まちづくり現場報告&トークの集い
▽ありむら潜さん(漫画カマやんの作者)コーディネートによる第一線の実践者・研究者たちが講師陣
--------------------------------------------------------------------------------------
【日時】 2019年3月15日(金) 10:00〜16:00 
【呼びかけ対象者】 釜ヶ崎(あいりん地域)について関心を持ち、その行方を見守っている一般市民・学生・研究者・福祉関係者等
【定員】40人。定員になり次第締め切り  
【参加費】 無料  
【申込み&お問い合わせ】 
住所、氏名、年齢、職業を記入して下記に申し込んでください。
総合社会福祉研究所( http://www.sosyaken.jp Mail:mail@sosyaken.jp) 06-6779-4894 fax06-6779-4895
釜ヶ崎のまち再生フォーラム:kama-yan@sun-inet.or.jp
【会場】 太子福祉館(「大阪市立大学西成プラザ」として知られている会場の本来呼称)
     大阪市西成区太子1—4-2 太子中央ビル3階 (最寄り駅:地下鉄動物園駅、JR新今宮、南海新今宮) 
【共催】 総合社会福祉研究所、釜ヶ崎のまち再生フォーラム
【後援】 有限会社福祉のひろば社
【企画趣旨】 
 過去半世紀にわたって関西圏の日雇い労働者たちの求職活動の舞台であり、日本労働遺産とでも呼ぶべき「あいりん総合センター」が耐震強化による建て替えのためにこの3月末に閉鎖されます。
これを機に、この地域の取組みから学べることをしっかり受け止めておくことは社会の責任でもあると考え、企画したものです。釜ヶ崎にはたくさんの社会的課題が凝縮し、その克服のための実践が先端的に繰り広げられて、学ぶべきものがあふれているからです。
たとえば、日本列島総釜ヶ崎化(非正規雇用や無縁社会の全国化)の警鐘、ホームレス支援をまちづくりと組み合わせる方式や地域トータルケア・ネットワークの先見性、「半就労・半福祉」をはじめとする生活保護制度活用法の地域的工夫、生活困窮者への支援付き簡易宿所転用型マンション等の実践ノウハウ、地域諸団体や行政が一堂に会して合議によるまちづくりを推進するボトムアップ型の徹底追求、ジェントリフィケーション論とそれに抗するサービス・ハブ概念の対置etc。
そして、この集い自体が当地域への実践的応援となるように、釜ヶ崎のまち再生フォーラムがまちづくりの推進軸として20年間も開催してきている「まちづくりひろば」との共催という形態にしました。
当日の報告や質疑は月刊誌『福祉のひろば』に掲載されます。

【内容】
以下の講師のみなさんはほとんど、あいりん地域まちづくり会議の有識者委員や地域委員として、状況改善に直接参画しています。

<午前> 10:00〜
1) 基調解説「釜ヶ崎は何がどう変わり、何が継承されるか?なぜ、どのようにしてそうなったか?何が課題か?」  
ありむら潜(釜ヶ崎のまち再生フォーラム事務局長)
氏は釜ヶ崎で働き、活動し、漫画やコラム発信を続けること44年。まずはフィールド・ワークに代わって、スライドで時と空間を「まち歩き」。釜ヶ崎の過去・現在・未来を、ホームレスや生活困窮者支援の住民主導型まちづくりの観点から、応援団のみなさんにもわかりやすく提示します。

2) 専門分野ごとの解説 11:00〜
▽社会福祉研究者から
白波瀬達也さん(桃山学院大学社会学部准教授) 
「サービス・ハブ西成型の希求による社会的包摂力のアップデートをめざして」
   好評の 『貧困と地域』(中公新書)発刊後、有識者委員に。まちづくり実践のど真ん中に飛び込んでみて得た社会福祉視点からの最新の知見を語ってもらいます。

  ▽日雇い労働市場の研究者から
  水野阿修羅さん(日本寄せ場学会運営委員)
  「これほどまでに進行している日雇い労働市場の構造的変容」
    元鉄筋工でもあり、“釜ヶ崎の歩く生き字引”とも言われる氏が精力的に踏査した全国飯場(建設作業員宿舎)調査結果。そこから見えてきたのは広くニッポンの社会構造そのものの変化。あなたはきっと驚くでしょう。
                  (昼食&休憩 45分〜60分程度)
        *この時間帯や終了後に地域内を少し歩いてみるのも良いかと思います。

<午後> 13;00〜

  ▽地域に生きる住民・町会・自営業者の観点から 
   西口宗宏さん(地域内の第6町会長を14年間歴任。簡易宿所組合理事)
「不信と断絶の街の歴史を、労働者とは異なる立場からはどう克服しようとしているか」
    自らの簡易宿所を釜ヶ崎的知恵で生活困窮者支援マンションに転換し(サポーティブハウス)、単身高齢者等の支援のあり方を熟知。さらに外国人女性中期滞在者向けシェアハウスも開設するなど、地域ハウジング資源の多様化を推進中。弱者支援感覚の鋭さには誰もが脱帽。

 ▽子ども支援分野から   
山田文乃さん(いまみや小中一貫校指導教諭) 20分    
「ネガティブな地域イメージをもつ児童と作り上げた地域学習はこうして大きな前進を見せた」
 地元校の児童たちが8ヶ月間にわたる地域学習の成果として発表した“私たちの西成まちづくりプロジェクト”の提案8本は大人たちにポジティブなショックを与えました。その牽引者として経験を語ってもらいます。
  現在は休職して、外国にルーツをもつ子どもの支援事業推進中。荘保共子さんのお話とのセットで学んでいただきたい。

荘保共子さん(NPO法人こどもの里理事長)
「子どもたちが地域から消える寸前まで行き、再び子どもたちの声が聞こえる街をめざす取組みの中で人々に伝えたいこと」
「大都市部の限界集落」とも呼ばれたりする中で子どもたちはやはり希望です。子ども支援は地域再生のうえでどんな役割があるのか。どんなことができるのか。ドキュメンタリー映画「里にきたらええやん」の静かなヒットで、全国から視察や講演依頼が殺到する日々。

<休憩> 

3) シンポジウム&質疑応答    14:00〜16:00
「社会課題先端地域=釜ヶ崎でいま起きている大きな変化と取組みからあなたは何を学ぶか?たくさんの知見を持ち帰ろう」
会場参加者の意見や質問も入れて、存分に語り合います。
進行役:ありむら潜
シンポジスト:白波瀬達也、水野阿修羅、西口宗宏、山田文乃、荘保共子の各氏
 なお、織田隆之さん(前・社会福祉法人大阪自彊館あいりん相談室長)にも来ていただき、医療や救護施設のあり方・活用のしかたについての釜ヶ崎の経験や知見を、会場から発言していただく予定です。
        
<終了後>
1時間ほど使って、希望者のみ簡単なフィールドワークを考えています。

                                                    以上

  2019年1月まちづくりひろばのご案内
Date: 2019-01-02 (Wed)
みなさま、明けましておめでとうございます。
大阪市西成区あいりん地域(旧釜ヶ崎一帯)の2019年は、日本労働遺産とでも呼ぶべきあいりん総合センターが仮移転のため、いよいよ3月末をもって閉鎖されます。この年を地域の人々にとってより良い未来へのターニングポイントにすべく、みんなで力を合わせて、がんばりましょう。
早速ですが、新年の企画をご紹介いたします。

■■■■■ 2019年1月「まちづくりひろば」のご案内 ■■■
                      
<通算215回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬------------
『まちを住みこなす』(岩波新書)の著者をお迎えして、その釜ヶ崎バージョンを考える。
〜西成区やあいりん地域で住み続けられるために必要なハウジングや居場所のさらなる多様性をどう創り出すか(その現状把握と今後の大きな方向性)を語り合う〜

ゲストスピーカー:大月敏雄・東京大学大学院教授(建築計画学)
テーマ設定趣旨:
添付の書評(平山洋介・神戸大学教授の日経記事)をお読みください。現代人が、人生の年代ごとのステージに合わせて居住の形は変えながらも、同じまちに住み続けることについて、示唆に富んだ、タイムリーな内容です。本書に書かれた考え方は、「あいりん地域まちづくりビジョン有識者提言」のコレクティブ・タウン論(≒まちをシェア・ハウス的に考える)やサービス・ハブ論(≒あいりん地域を多様な社会福祉サービスの集積拠点として考える)などと通底しているものです。
地域にあるハウジング資源の現状報告&分析もサブ講師にお願いしつつ、議論を深めたいと思います。
どなた様もお気軽にご参加ください(参加申し込み不要)。
大月先生のお話の参考サイト
https://www.u-tokyo-asahikouza.jp/2018%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E8%AC%9B%E7%BE%A9%E6%A6%82%E8%A6%81/%E7%AC%AC2%E5%9B%9E-10%E6%9C%883%E6%97%A5/


-----------------------------------------------------------------------------¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬¬-----------

▼日時:2019年1月22日(火曜日) (18:00会場)18:30 〜20:50
▼会場:太子福祉館(「大阪市立大学西成プラザ」としても利用される集会室の、本来呼称です)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ開き、中へ入る。(ただし、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)
▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
(調整中)大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼参加予約:不要
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話:090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

  台風のため9月まちづくりひろばは日程変更します
Date: 2018-09-03 (Mon)
9月4日(火)開催予定の「9月まちづくりひろば」は強い台風接近のため、延期します。

▽新日程は9月7日(金)19:00〜
規模と時間を縮小して、開催します。
▽会場は同じ太子福祉館(大阪市大西成プラザとしても機能)を確保する予定です。
もし確保できなかった場合だけ、新会場をこのホームページでもご案内します。

とりあえず、緊急のお知らせまで。


ありむら潜

  2018年9月まちづくりひろばのご案内
Date: 2018-08-30 (Thu)
<通算214回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------

あいりん地域の将来ビジョンの議論の中でキーワードの一つ(になりつつある)「サービス・ハブ」論について
もっと知る緊急公開座談会  

〜当研究の第一人者ジェフリー・ドゥヴェルトゥイユ氏(英国カーディフ大学上級講師)の
釜ヶ崎調査の合間を縫って実現〜

-----------------------------------------------------------------------------

▼日時:2018年9月4日(火曜日) (18:00会場)18:30 〜20:50
   
▼会場:太子福祉館(「大阪市立大学西成プラザ」としても時々利用される集会室の本来呼称です)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ開き、中へ入る。(ただし、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)

▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
    大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)

▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼参加予約:不要
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話:090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

【企画趣旨】
 グローバル・シティの中の釜ヶ崎的な空間(貧困集積地域)の役割を「サービス・ハブ」という概念でとらえられるようになった傾向(欧米発)については、前回の「6月まちづくりひろば」でも、コルナトウスキ ヒェラルドさん(九州大学大学院比較社会文化研究院講師)から、東アジア各国の事例も加えて語ってもらいました。
  そこへ、1週間という短期間ですが、ドゥヴェルトゥイユ氏(以下、ジェフ先生)が社会的弱者支援の各種団体聴き取り調査に来釜される(3回目)と聞き、急きょ打診したところ、協力していただけることになったものです。感謝、感謝です。
  そうした経過から、今回のまちづくりひろばは講演としてではなく、先生の聴き取り調査対象団体のメンバーを中心に集まっていただき、ざっくばらんに質問しあう形式にします。
それによって、ジェフ先生にとっては個別団体聴き取り調査の補足となり、私たちにとってはサービス・ハブ論の国際的概念の再確認や内容の深掘り作業となり、ひいては現在策定中のまちづくりビジョンのヒントとなる、そのような良き機会にできないものかと思っています。
「これは何かヒントがうずもれていそうだ」と直感した方はぜひ覗いてみてください。

 【サービスハブ論やジェフ先生ご自身についての情報】
 
<今回の窓口となっているヨハネス・キーナーさん(大阪市立大学都市研究プラザ)のコメント>

「特に2015に出た『Resilience in the Post Welfare Inner City』という本は注目を集めて、日本語に翻訳された論文もあります。下記のリンクをご確認ください。

ジェフ先生のホームページ:http://www.cardiff.ac.uk/people/view/363230-deverteuil-geoff

ジェフ先生の本:http://policy.bristoluniversitypress.co.uk/resilience-in-the-post-welfare-inner-city

ジェフ先生の論文(日本語に翻訳されています by松尾卓磨さん):http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/geo/pdf/space19/19_81matuo.pdf

今回の研究の概要:
グローバル都市圏におけるサービス・ハブ:サバイバルの地理から新しいコモンズへ?
ジェフリー・ドゥヴェルトゥイユ(イギリス/カーディフ大学)
(以下はジェフ先生自身の梗概。日本語訳と英語本文をつけます)
グローバル・シティの地域には、社会的な分極化が特徴的であり、最富裕層と最貧困層のみが残る地域になってしまう傾向がある。本研究のフォーカスは、最貧困層がサービス・ハブを通じてどのように都心及びそれに近接する空間の占有またはその利用を維持できるかを明らかにすることである。サービス・ハブというのは、社会的弱者のサバイバルを支援するボランティア・セクター団体が相当に集積する地域である。そして、サービス・ハブは最低限のサバイバルを可能にする地域だけではなく、資本主義にたえず脅迫されつつもそれを超えて存在する商品化されていない共同空間、いわゆる「コモンズ」になる可能性もある。
私は比較研究のために、ロンドン市のブリクストン地区、ロサンゼルス市のヴェニス地区、大阪市の西成区という3つの地域をケーススタディー対象にして、2つの目的で調査を進める。1つ目は、どの程度でサービス・ハブはコモンズであるか、そして2つ目は、こうなったサービスハブとコモンズの関係は3つのケーススタディーズの間で、どのぐらい異なるかということである。

Service hubs in global city-regions: From a survival geography to a new commons?
Geoffrey DeVerteuil (Cardiff University, UK)

Global city-regions are marked by social polarization, where increasingly only the very rich and very poor remain. The focus here is on how the very poor have maintained their occupation and access to prime central urban space via service hubs, that is conspicuous concentrations of voluntary sector organisations that help the vulnerable survive. And yet, service hubs could also constitute more than just bare-bones survival - they could be potential commons, that is non-commodified and collective spaces that exist beyond capitalism but always threatened it.
I propose a comparative set of three case study service hubs - Brixton in London, Venice in Los Angeles and Nishinari in Osaka - and focus on two research objectives. The first is on the degree to which service hubs can be considered commons, and, second, how the relationship between service hub and commons differs across the three case studies.

 <ジェフ先生とも親交のある水内俊雄教授(大阪市立大学都市研究プラザ)からの紹介コメント>

「ジェフはカナダ出身で、モントリオールのマギル大学、バンクーバーのUBCを経て、大学院が南カリフォルニア大学で、マイケル・ディア教授なども構成スタッフで、世界のホームレス研究をけん引する研究拠点で研鑽を深めました。彼の指導教員のジェニファー・ウォルチのもとで博士号をとりました("Welfare Reform and Welfare Neighborhoods: Institutional and Individual Perspectives")。
マイケルとジェニファーがサービスハブを、1990年代前半にLAで編み出したものと思います。その代表的論文が下記です。
Dear, Micahel, Wolch, Jennifer & Wilton, Robert (1994) “The Service Hub Concept in Human Services Planning” Progress in Planning, Vol. 42, pp. 173-271.
『Progress in Planning 』とはUniversity of South Californiaの雑誌です。PDFは重いので希望の方はお知らせください。
ちなみに、その頃ありむら潜さんはLAを訪れ、彼ら彼女らに会い、そして漫画「カマやんのアメリカ大放浪・LA篇」を描いています(ヤングチャンピオン・コミックス『Hotel New 釜ヶ崎』 99頁目にDear教授が似顔絵で登場して、LAのホームレス状況の解説をしている)。
その後ジェフはロンドンとシドニーで同様の研究をし、それが本にまとまっています。
 今回はコモンズ概念に当面の到達点を設けているようで、(あいりん地域のまちづくりビジョン案などで提示されている)コレクティブ・タウンという概念と親近性も高く、コモンズという言い方で、ジェントリフィケーション研究が構想する都市とは異なる都市像を提案されるのでは、と期待しています。私の周辺では「包容力ある都市」という言い方をしていますが」。


ジェフ先生の紹介は以上ですが、「ほんなら、コモンズとは何ぞや?」というのが私、ありむらなどの浅学的レベルです。
そこで、ネットで「知恵蔵」あたりをクリックすると、「草原、森林、牧草地、漁場などの資源の共同利用地のこと」という一文が先頭に出てきます。なるほど、これまでの釜ヶ崎(あいりん地域)が社会的弱者に対して果たしてきた機能(社会的サービス提供機能)を評価しつつ、これからも時代の変容に即して、貧困者向けの多様な社会的サービスが得られる共同利用地としての機能に再構築していけないか、といったメッセージであるようです。

https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BA-66331#E7.9F.A5.E6.81.B5.E8.94.B5

おもしろそうであることがおわかりになりますか?
ジェフ先生の調査趣旨に沿って、座談会メンバーになっていただきたい団体・個人には主催者から声かけをさせていただきます。
どうかよろしくお願いいたします。

  2018年6月まちづくりひろばのご案内
Date: 2018-05-23 (Wed)
<通算213回目 Since 1999> 
------------------------------------------------------------------------------------------------------
釜ヶ崎の包摂力継承の基盤となる新たなハウジング論・居住支援論を深め合うブレーンストーミングへのお誘い

(1)「定住」か「宿泊」か「野宿」かの3択論ではとらえきれない、多様で中間的・暫定的な住まい方が拡がっている最新実態報告と、その中で見えてきた地域居住資源活用の可能性を考え合う
発題者:水内俊雄さん(大阪市立大学都市研究プラザ教授)

(2)空き家・簡宿・密集市街地アパートなど多様なハウジングのマネージメント・プロジェクトで職能開発・地域就労・居住支援等のしくみづくり(まずはそのモデル事業)を考え合う
  発題者:寺川政司さん(近畿大学建築学部准教授)

(3)上の2つをつなぐキーワードの一つ「サービス・ハブ」とは国際的にどのような概念?釜ヶ崎的に言えばどういうこと?
  発題者:コルナトウスキ ヒェラルドさん (九州大学大学院比較社会文化研究院講師)   
  *多忙な発題者のみなさんが到着する時間調整の必要もあり、実際の進行では(1)の前、または(1)と(2)の間に語ってもらう予定です。
         
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
▼日時:2018年6月20日(水曜日) (18:00会場)18:30 〜20:50
   
▼会場:太子福祉館(「大阪市立大学西成プラザ」としても時々利用される集会室の本来呼称です)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ開き、中へ入る。(ただし、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)

▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
(調整中)大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)

▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼参加予約:不要
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話:090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

【企画趣旨】
 全国的にも何かにつけてハウジングの重要性が語られるのが今の局面です。
民泊の浸透で住宅の定義が揺らぎ、国交省でさえ住宅セーフティネット法の再整備(住宅確保要配慮者)により居住支援の再構築をさぐっています。とりわけ、あいりん地域は市場原理の荒波に直面しており、この地域の良さ=包摂力の基盤となる住宅資源の柔軟な見直しや再整備がどこよりも急務と言えます。

(1) 水内教授はこのほど、地下鉄花園駅周辺(あいりん地域の一部でありつつ、集合住宅の用途変更がきわめて流動的な地域)の住宅実態調査をもとに、斬新な報告書を出されました。
私なりの解釈で紹介しますと、
・あいりん地域内外での住まい方には6つの類型があるのではないか。
・「定住」か「宿泊」の2択ではなく、その中間に「滞在」。その「滞在」と「定住」の間には、さらに中間的で暫定的な住まい方の2類型がある。これを造語として「暫住(ざんじゅう)」と「暫居(ざんきょ)」と呼ぶ(→どのようなものかはひろば当日に乞うご期待)。「野宿」も含めると、6類型が実態としてあり、住まい方の多様性は近年拡がっていることが判明した。
・あいりん地域の今後のまちづくりでの住宅課題を考えた場合、こうした実態のさらなる分析・整理をする必要を感じる。そして、多様性が増す住まい方を可能ならしめている地域住宅資源(簡宿・近隣の飯場・ワンルーム・有料ホステル・シェルター等の集積状況)の積極的な活用方策を考えたほうが良いのではないか。
ということになるでしょうか。

 つまり、あいりん地域は伝統的に中間的・暫定的な住まい方の街として特徴を持つ地域であり、これを発展継承してこそ強みを維持・再生できるのではないかという示唆ですね。もちろん、安心・安全と両立させながらですが。
たしかに「今後は子育て世代の流入も」とは言ってみたところで、直ちにそれを呼び込めて定住人口を増やすという発想にはいささか無理があります。両者のギャップを埋める作業(理論的深化、ビジョンの共有化)が必要です。

(2) これを受けて、活用の具体化論に入り込むのが寺川さんの発題です。向こう5年間の第2期西成特区構想でもこのモデル事業を実施することが提言されており、住宅と福祉と労働(就労)を結びつける「サービスハブ」(それって何?当日お聞きしましょう。昔から釜ヶ崎はそうだったと言える)の再構築を提唱します。

(3)お2人の発題の中にも出てくるサービスハブという用語(概念)について語ってもらう、ジェイさんこと コルナトウスキさん。「これは地域を解明するのにいい術語ツールで、そもそも英米圏でできた概念。それを東アジア圏(香港・シンガポール・ソウル・台北など)で見ていき、最後に釜ヶ崎の事例を取り上げて考えてみる予定」だとのことです。

参加予約など不要です。どなたでもお気軽にお越しください。
幅広い方々のご来場をお待ちしています。

  2017年12月まちづくりひろばのご案内
Date: 2017-11-23 (Thu)
<通算212回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
 いったい今、どうなっている?市場原理にもとづく新今宮駅周辺地域の不動産流動化の最新実態の集中的情報交換会。単身高齢者も住み続けられ、家族世帯も住めるようにするためのまちづくり課題とヒントをさぐる。

報告者
<1> 陸 麗君さん
(大阪市立大学都市研究プラザ 特別研究員、中国・華東理工大学 社会与公共管理学院 特別研究員)
「新華僑たちの起業と地域ー西成区あいりん地区を中心に」(仮)
“あいりん地区のアーケード商店街における新華僑たちの起業(カラオケ居酒屋や不動産経営など)が地域にもたらす影響、また地域が新華僑たちに与えるインパクト”を中心に調査され、その論文が発表される予定とのこと。地域側としては、新華僑の人々への直接の聴き取り結果に、まずはお互いを知るという意味で、大いに関心が湧きます。
(目安25分)
      
<2> 松村嘉久さん(阪南大学国際観光学部教授)
「新今宮駅周辺の民泊の実態調査および観光動向から見えてきた実態と、そこからのまちづくり課題とヒントをさぐる」(仮)
西成区側以上に激しい浪速区側の動きも報告していただきます。星野リゾート、恵美小学校閉鎖後の用途方向、南海電鉄に売却決定となった旧馬淵生活館の外国人就労支援施設情報、引き続く民泊激増の影響、などです。
(目安20分)

<3> 杉浦正彦さん(萩之茶屋地域周辺まちづくり合同会社・不動産事業部担当者)
あいりん地域生活困窮者への住宅あっせん(&生活支援)現場から見えてきた不動産物件流動化の生々しい実態報告と、そこから見える住宅弱者支援のまちづくり課題やヒントをさぐる
         (目安20分)

<4> 水内俊雄さん(大阪市立大学都市研究プラザ教授)
「新たな住宅セーフティネット制度づくり」(国交省住宅局)の内容紹介やその活用可能性をさぐる。関連する国の政策的動きも。時間があれば、先生自身の現在の地域調査の中から本日の大テーマに関連する補足的報告も。
         (目安15分)

<5> あいりん地域まちづくり会議及びテーマ別部会からの報告
特に、「あいりん地域まちづくりビジョン策定調査」について
まちづくりビジョン策定調査委員会の有識者委員(寺川委員、福原委員)
西成区役所(企画調整)、大阪府商工労働部労政課など行政各担当部署(出席の可否打診中)
(目安15分)

<質疑や議論> 30分

-----------------------------------------------------------------------------------------

 【企画趣旨】
 いつも長文で恐縮しています。今月は、上記のとおりで充分に伝わるかと思います。
中身満載のため、今月は15分繰り上げて、本題を18:45から開始いたしますので、ご注意。
参加予約など不要です。どなたでもお気軽にお越しください。
幅広い方々のご来場をお待ちしています。

▼日時:2017年12月12日(火曜日) (18:00会場)18:30 〜20:50
   (越冬関係の会合と曜日が重なり恐縮です。多くの関係者の日程調整の結果、この日しか一致日がありませんでした)

▼会場:太子福祉館(「大阪市立大学西成プラザ」としても時々利用される集会室の本来呼称です)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ開き、中へ入る。(ただし、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)

▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)

▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼参加予約:不要
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話:090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

  NHKのニュース番組から
Date: 2017-09-12 (Tue)
日頃はあいりん地域におけるまちづくりへの取組みへのご理解ご協力ありがとうございます。
ご承知のように、地域での大きな話し合いの舞台になっている『あいりん地域まちづくり会議』での議論のようすは、西成区役所、大阪府、西成労働福祉センターそれぞれのホームページなどで、随時見ることができます(発行物では区役所からのニュースレターや掲示物など)。
各回ごとに議事録や動画もアップされていることは既報のとおりです。

http://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000313493.html
http://www.pref.osaka.lg.jp/koyotaisaku/airin_taisaku/airintaishin.html
http://www.osaka-nrfc.or.jp/


そうした取組みの中で、このたび以下のNHKニュースにあるような聴き取り調査を、いま一度実施することになりました。
これは、2つの役割があります。
(1)現在のまちづくりの議論の到達点をより幅広い人々(地域に暮らす住民各層、各施設・簡宿等の利用者、現役日雇い労働者、路上生活者、町会内の一人ひとり等々、いまだ情報が伝わりきれていない人々)にきちんと知らせていくこと
(2)併せて、今後のまち全体のあり方(コンセプト)や、あいりん総合センター内の労働施設の(現敷地内での)建て替えについての意向などを聞いて、まちづくりビジョンの策定に反映させていくこと
です。

言い換えれば、まちづくりをもう一段、深く広いボトムアップ型にしていくためのもので、
有識者委員たちを軸に、行政関係(市・府・国)、地域諸団体(町会や労働者支援団体その他)、多数の学生を含む大学関係者等で、まもなくの実施に向けて準備中です。
別途、当該地域一帯の将来人口推計に向けた調査なども並行して進んでいます。

以下、NHKのニュース番組の動画とテキストです。

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170909/3773791.html


関西 NEWS WEB大阪放送局 トップ
「西成特区構想」大規模調査へ
09月09日 07時58分

大阪・西成区でゴミや放置自転車などの対策を進めてきた「西成特区構想」について、あいりん地区の住民や路上生活者などおよそ500人から聞き取る、初めての大規模な調査が行われることが、関係者への取材でわかりました。
「西成特区構想」は、西成区の活性化を目指そうと平成25年度からゴミの不法投棄や迷惑駐輪の対策などの取り組みが進められています。
こうした取り組みの評価や課題について、あいりん地区の住民や路上生活者などおよそ500人を対象に今月19日から1か月かけて聞き取りなどの調査が行われることが関係者への取材でわかりました。
西成区と大阪府、それに大学などが協力して行い、あいりん地区で行政による大規模な聞き取り調査は初めてです。
調査では、特区構想で町がどう変わったかや、今後のまち作りへの要望のほか、建て替えが予定されている日雇い労働者支援の施設「あいりん総合センター」への意見も聞き取ることにしていて、調査の結果は来年度以降も続けられる西成特区構想の施策に生かされるということです。
調査に参加する近畿大学建築学部の寺川政司・准教授は、「これまで拾い上げられなかった現場の方々の意見を伺い、今後のまち作りに反映させていきたい」と話しています。

以上

  2017年7月まちづくりひろばのご案内
Date: 2017-06-11 (Sun)
<通算211回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
釜ヶ崎関連の話題の新刊3冊合同書評会&著者慰労会&釜ヶ崎の来し方・行く末を大きく総合的に語り合う集い

 対象新刊(発行順)
<1> 『叫びの都市 〜寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』 (洛北出版)
著者:原口 剛さん(神戸大学大学院人文学研究科准教授)
案内HPはこちら↓
http://www.rakuhoku-pub.jp/book/27255.html

<2> 『貧困と地域 〜あいりん地区から見る高齢化と孤立死』 (中公新書)
著者:白波瀬達也さん(関西学院大学社会学部准教授)
案内HPはこちら↓
  http://www.chuko.co.jp/shinsho/2017/02/102422.html

<3> 『飯場へ 〜暮らしと仕事を記録する』  (洛北出版)
ただし、6月末に出版予定です。
著者:渡辺拓也さん(大阪市立大学都市文化研究センター研究員)
案内HPはこちら↓
https://rakuhoku-kyoto.tumblr.com/post/161054284742/%E9%A3%AF%E5%A0%B4%E3%81%B8-%E6%9A%AE%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%A8%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%82%92%E8%A8%98%E9%8C%B2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B8%A1%E8%BE%BA%E6%8B%93%E4%B9%9F

http://books.rakuten.co.jp/rb/14979524/

 【企画趣旨】
この著者3人には共通点があります。
さかのぼって2000年代初頭になりますが、ホームレス支援活動などに始まる、釜ヶ崎でのさまざまな地域横断的取り組みの勃興・発展期に学生として関わり始め、大阪市立大学都市研究プラザ等を経て、この地域の人々と共に歩むなかで、研究者としての道を模索され、そこからの成果の一つとして新著を、この1年のうちに刊行されたという点です。
平たく言えば、「みんな、同じ時代に同じ“釜”のメシを食った仲間」であり、その「到達」を祝おう、合同販売会にもしよう、という集いです。

本の中身的にも、釜ヶ崎・あいりん地域の歴史的な事実を三者三様の領域で詳細に論じたうえで、これからの地域変容を三者三様に考えようとしています。
世の常として、人は大きく物事が変わりゆく時、自分(の立脚する分野)にとって都合のよい事象だけを見て、「不都合な真実」は見たがらないものです。しかし、今は釜ヶ崎を釜ヶ崎たらしめてきたあらゆる要素の変化や不変を、好き嫌いをせず、総合的にしっかり把握し直すこと、そうした科学的で冷静な向き合い方をしてこそ、この地域の将来に関する正確な示唆が得られるものと信じます。
その点で、この3冊の中身をワンセットで吟味することは大きな意味があり、実にタイムリーであると考え、3人の方にご協力をお願いした次第です。
T部は参加予約は要りません。お気軽にお越しください。
U部は会場予約の都合上、参加申し込みをお願いします
(下記日時までにありむらへ、メールまたは電話にて)。

 【当日のプログラム】
T部
(1) 各著書について著者から「ここだから、今だから話したい」コメント
「まだ読んでいない人のための、著者による超簡単内容紹介」含む
(2) 「私はこう読んだ」書評リレー(多くの方々にお願いする予定です)
(3) 著者・参加者を交えたざっくばらんな意見交換・情報交換・近況報告
(4) 合同販売会

U部   懇親会

-----------------------------------------------------------------------------------------
▼日時:2017年7月16日(日曜日ですが、翌日は「海の日」祝日です)

【T部】
(13:30開場)
14:00 〜17:00 合同書評&語り合いまちづくりひろば
17:00〜17:20 合同販売会(開場直後から購入できるようにしておきます)

会場:太子福祉館(大阪市立大学西成プラザ)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ引き開き、中へ入る。(ただ、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)

参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。

【U部】 
懇親会 (参加申し込みは7月14日・金曜日夜までにお願いします)
会場:近隣の飲食店にて    
ご予算:お1人3000円

▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)

▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話:090-8448-0315(ショート・メール歓迎)
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

                                                      以上

  2017年4月まちづくりひろばのご案内
Date: 2017-03-22 (Wed)
*会場は今回も太子福祉館3階(大阪市立大学西成プラザ)です。お間違いがありませんように。

<通算210回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
〜横浜寿町のまちづくりを知り、釜ヶ崎のそれを考えるシリーズA〜
寿町での住民に対する<生活支援>の実際、それが形成されてきた歴史的経過、行政やさまざまなアクター間の協力関係、並びに地域ぐるみの防災体制の到達状況などをお聞きする。
そこから、あいりん地域での生活支援の特長や今後の発展形を考える夕べ

ゲストスピーカー 
▼中路(なかじ)博喜さん:
(公益財団法人 寿町勤労者福祉協会事務局長、寿プラザ地区地域防災拠点運営委員会事務局長)
   「2000年代以降の寿町の生活支援や防災での住民協働の進展や課題を語る」     

▽(補足トーク)
「(あいりん総合センター各施設の本移転後も見据えて)あいりん地域における今後の生活支援の大きな方向についての私のイメージ」
・福原宏幸さん(大阪市立大学経済学部教授)
・白波瀬達也さん(関西学院大学社会学部准教授)
 
⇒白波瀬さんはこの2月下旬に『貧困と地域 〜あいりん地域から見る高齢化と孤立死〜』(中公新書)をご出版され、多忙な日々のようです。
      http://www.chuko.co.jp/shinsho/2017/02/102422.html

* 釜ヶ崎のまち再生フォーラムでは、他のお2人の新鋭研究者による新著(お1人は5月頃発刊予定)も加えて、3人合同の「出版のお祝い&書評会⇒今後の釜ヶ崎の大きな方向性を総合的に考える集い」開催を5月下旬〜6月初旬に予定しています。
      お楽しみに。

-----------------------------------------------------------------------------------------
▼日時:2017年4月20日(木曜日) (18:00開場)18:30 〜20:45
▼会場:太子福祉館(大阪市立大学西成プラザ)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」及び「Kama Pub」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ引き開き、中へ入る。(ただ、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)

▼主催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
 (共催調整中):大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

▼参加予約:不要

【開催趣旨】
前回は「労働」をめぐる2つの地域の違いについてでした。
今回は、次のような疑問に応える機会にできるかと思います。
 「寿町のことはわかっているようで、実は私はよくわかっていないんです、私」
「釜ヶ崎では日雇い労働者・単身高齢者・障がい者・こども・女性など各カテゴリー別の支援が伝統的に地域団体などによって自主的に担われてきたと感じている。寿町では行政がうまく主導しているように見える。実際はどうなのか。どういう経過でそうなったのか。誰が主導したのか。市長?区長?現場の人々?」
  「逆に、町会などはどう巻き込んだのだろう」
  「地域団体や支援団体同士の協力関係はどのくらいうまくいっているのだろう」
  「防災では、地域ぐるみの防災体制に支援団体なども抵抗なく協力できている(ように見える)のはどういう経過からなのだろう」
 「あいりんではこれまでの良さを継承しながら、総合センターの労働施設仮移転、本移転も見据えた新しい型を創造できないだろうか」
  「特に、防災などは今のままではいかにも不十分なのではないだろうか」
などです。
参加予約など要りません。お気軽にお立ち寄りください。      

<注> ここでいう生活支援とは具体的には、各種生活相談窓口・施設、居場所・催しなどでのつながりや生きがいづくり、文化事業、緊急時の相互声かけや協力体制などをイメージして書いています。
ただ、そのイメージ自体がもっと深めるべきであるようにも思います。
とにかく、お話を聞きましょう。

  2017年1月まちづくりひろばのご案内
Date: 2016-12-29 (Thu)
会場は今回も太子福祉館3階(大阪市立大学西成プラザ)です。お間違いがありませんように。

<通算209回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
横浜・寿町でも進む総合労働福祉会館の建替え・再整備事業とまちづくり。
そこではなぜ、「労働」は釜ヶ崎ほどの論点にならなかった(ように見える)のか?
〜あいりん地域まちづくり会議&労働施設検討部会等の最新報告も兼ねて〜

ゲスト・スピーカー:
山本薫子さん(首都大学東京 都市環境学部 准教授)
専門:都市社会学・地域社会学等
寿地区には1990年代より社会調査等で関わる。
http://www.tmu.ac.jp/stafflist/data/ya/872.html

http://www.tokyo-sangaku.jp/labo/%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E8%96%AB%E5%AD%90/

        あいりん地域まちづくり会議報告:
            西成区役所企画調整担当(&市役所の各担当部署も検討中)
            大阪府商工労働部労政課・労働施設検討部会担当部署(確定)
            同会議・有識者委員
            同会議・地域委員(労働系支援団体等)

【山本薫子さんのコメント】(メールから抜すい)
 「ご依頼いただいた内容およびご指摘いただいた件については、どう評価し、どのように理解、説明すればよいのか、私もずっと考えていることで、本当によい機会をいただいたと思っています。(中略)。こちらこそどうぞよろしくお願いいたします」

-----------------------------------------------------------------------------------------
▼日時:2017年1月30日(月曜日) (18:00会場)18:30 〜20:45
▼会場:太子福祉館(大阪市立大学西成プラザ)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」及び「Kama Pub」のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ引き開き、中へ入る。(ただ、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)

▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
     大阪市立大学都市研究プラザ(西成プラザ)
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

▼参加予約:不要

【テーマ設定趣旨】
 あいりん総合センターと同じく、横浜市の寿町総合労働福祉会館も、耐震強化に伴う建て替えと諸機能の再整備、及びまちづくり(地域の将来の方向性等)について住民・行政間で継続的な議論をし、再確定していくというプロセスの真っただ中にあります。
建物についてはすでに基本設計段階も越えたようですので、あいりん地域より2〜3年ほど先行していると言えます。
私たちはあいりん地域まちづくり会議を軸にあらゆる角度から生産的な議論をし、知恵を出していかないといけません。寿町の取り組みからも参考にできるものは学んでいく必要があります。
そこで、
(1) 寿町における住民と行政間の話し合いシステムについて。
これは1980年代〜90年代という早くからテーブルが形成されていき、かなり熟成していると聞きますが、その経緯や背景、とりわけ約70団体・施設が参画する防災拠点運営委員会の経験などは大いに参考になりそうです。
→これは、公式に区役所主催のような形でお話を聞く場を開くように求めていく予定です。

(2) しかし、その前に、寿町型まちづくりへの懸念が釜ヶ崎では聞こえてきます。
「“労働”という要素が抜け落ちているのではないか」という疑問や懸念です。
そこで、(1)の前に、釜ヶ崎と異なり寿町では、日雇い労働の寄せ場という機能について歴史的にどのような葛藤があり、いつごろから後退し(断片的には知っていても、意外に体系だった認識はない人がほとんど)、そして、このたびのまちづくり議論でもさほどの(釜ヶ崎ほどの、の意味です)大きな論点とならず(そのように見えてしまう)、進んでいっているのか。
たとえば、寿労働センター無料職業紹介所は事業を継続しますが、新・寿町総合労働福祉会館には入居せず、近隣のビル(かながわ労働プラザ)への入居で決着したことなどを例示する声があります。
「なぜそうなったのか、“謎”を明らかにしてしてから、学ぼうや」ということになったしだいです。

山本先生にはこちらからその点をお願いしたところ、上記のようなコメントでのご快諾をいただいたものです。
古くから活動経歴のある方々からの会場席からの補助発言も、期待しているところです。
単純に、東西寄せ場比較論という視点で勉強をしてみたいという若い方も、覗いてみる価値があるかもしれません。

 また、ひろば前半では、あいりん地域まちづくり会議の直近の第6回本会議(12月13日)や、労働施設検討部会での(西成労働福祉センターとあいりん職安の)仮移転・本移転に関する議論の「中間とりまとめ」やラフ設計などをまとまって聞ける、質問もできる場となります。
「地域の要望を最大限尊重する」(府知事や市長の発言)という、またとない流れにあるわけですから、むしろみなさんのご意見やご要望を集める場としていければ、と期待しています。

参加予約など要りません。
お気軽にお立ち寄りください。

  議事録を新たにアップ(あいりん地域/労働施設検討部会)
Date: 2016-12-29 (Thu)
「あいりん地域まちづくり会議」の中の「労働施設検討部会」の詳細な議事録ですが、

新たに第12回分(2016年10月開催分。直近は11月開催)まで、アップされています。

(大阪府のホームページ)

http://www.pref.osaka.lg.jp/koyotaisaku/airin_taisaku/airintaishin.html


または(公益財団法人)西成労働福祉センターのホームページからでも入れます。
(→ページ下段の「あいりん地域まちづくり会議労働施設検討部会の報告」をクリック)

http://www.osaka-nrfc.or.jp

いずれも西成区役所のホームページがリンクされています。

本体会議である「あいりん地域まちづくり会議」に関するすべての記録(議事録も含む)や提出資料、それに動画までを閲覧できます。

(→「あいりん地域まちづくり会議の議事概要」という箇所をクリック)

http://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000313493.html


どうかご利用いただき、この貴重な会議の行方を正確にお見守りください。
特定の立場からの「情報」が頻繁に流されていますが、
地域のお一人お一人や周囲の方々にもぜひ正確な情報をお伝えください。
                        以上


  西成ウォールアート・プロジェクトご協力のお願い
Date: 2016-12-13 (Tue)
阪南大学国際観光学部 松村教授からのメールを転送します。
以下のリンク先をクリックされて、ご協力よろしくお願いします。
************

関係者の皆様へ


西成の街にストリートアートを描く活動が始まっています。松村とSHINGO★西成さんが中心となり、プロのアーティストの力を借りて、地域の子供たちも参加して街を彩り、活気づけよう、という活動です。
西成を良くしたいと思う皆さんの支援を広く集めて、西成をストリートアートやウォールアートで溢れる賑わいのある街に変えていきたい、と願っています。
そのための方法として、CAMPFIREにて西成WANのクラウドファンディングを始めました。
皆さんにお願いしたいのは二点。一つは、以下のサイトを読んで、趣旨にご賛同いただけたら、ご支援いただきたい、というお願い。
もう一つは、このサイトの存在をお知り合いに伝えて広げていただきたい、というお願い。
リンク先を以下に記載させて頂きますので、拡散・ご協力、よろしくお願い致します。

https://camp-fire.jp/projects/view/8672


阪南大学国際観光学部・教授
西成アート回廊プロジェクト実行委員会・委員長
松村嘉久

  2016年10月まちづくりひろばのご案内
Date: 2016-10-11 (Tue)
みなさま。
今回は以下の集会に共催者という形で協力するご縁がありましたので、そちらのチラシでご案内させていただきます。

◆◇第75回日本公衆衛生学会総会 自由集会 兼 第208回まちづくりひろば◇◆
住まいと健康フォーラム
「非正規労働者の居住形態と結核集団感染を考える」

大阪府内では依然として多数が結核を発病しており、平成26年の新登録患者数は、2,168人に上っています。今年の2月にも建設業人材派遣会社の寮で1人が結核で死亡し、寮に住む53人のうち33人が感染するという結核集団発生事例が報告されました。現在の結核問題には、非正規労働者の増加やその居住形態が大きな影響を与えている可能性があります。
一方、1999年から大阪市西成区あいりん地域では行旅患者を対象にあいりんDOTSが開始されており、発生後の対応や治療において、地域や住まいの果たす役割が大きいことが実証されています。
本集会では、結核問題について、住まいや地域の役割を絡めながら、参加者間で考え、議論します。 どなたでもお気軽にご参加ください。

日時:2016年10月27日(木)18:30〜20:30
場所:太子福祉館(大阪市立大学西成プラザ)3階集会室
大阪市西成区太子1-4-3 太子中央ビル3F
JR新今宮駅東口徒歩1分

問い合わせ先:〒351-0197 埼玉県和光市南2-3-6
TEL 048-458-6249 FAX 048-458-6253
E-MAIL:bando@niph.go.jp (阪東)
当日の連絡先:090-9985-9340(阪東)
⇒【釜ヶ崎のまち再生フォーラムの窓口はありむら潜まで】
 090-8448-0315
Kama-yan@sun-inet.or.jp

世話人:阪東美智子(国立保健医療科学院)
井戸 武實 (大阪公衆衛生協会)
鈴木 晃 (日本大学)
伊藤 博康 (神戸医療福祉大学)
共催: 釜ヶ崎のまち再生フォーラム

<プログラム> (敬称略)
開場 18:00
開会 18:30
1. 主旨説明
2. 参加者の自己紹介

3. 報告
(1)「あいりん地域における結核対策」
三代 満(大阪市 西成区役所 保健福祉課)
(2)「あいりんDOTSの現状」
織田 隆之(社会福祉法人 大阪自彊館 あいりん相談室)
(3)「結核健診を推進する誕生日月健診等の予防対策」
山田 尚実(NPOサポーティブハウス連絡協議会)
(4)「建設作業員の結核集団感染・発病対策事例」
橘 喜美子(東大阪市 健康部 母子保健・感染症課)
4. 意見交換
5. まとめ
閉会 20:30

  議事録公開ページのご案内(労働施設部会)
Date: 2016-09-28 (Wed)
あいりん地域のまちづくり議論にご関心を持っておられる皆様

「あいりん地域まちづくり会議」の中の「労働施設検討部会」の詳細な議事録が、第3回から第9回まで、いっきにアップされています。
(大阪府のホームページです。なお、第1回、第2回は労働施設部会としてまだ枝別れしていなかったので、記録は本体であるあいりん地域まちづくり会議の議事録の中にあります)

膨大な大阪府のホームページからは見つけるのがたいへんだという方も多いでしょうから、こちらからお入りください。
(公益財団法人)西成労働福祉センターのホームページです。
http://www.osaka-nrfc.or.jp/

⇒このホームページの下段にある【あいりん地域まちづくり会議労働施設検討会議の報告】というところをクリックしてください。
上述の大阪府からの情報開示と、大阪市西成区のホームページのうちの「あいりん地域まちづくり会議」(本体会議)のページが両方とも、ワンクリックで読めます。

これらの議事録等をきちんと読んでいただければ、
どのような意見が委員の一人ひとりから発言されているか、(一部から流されている情報と全く異なり)現在のあいりん総合センター内の諸機能はしっかり維持されることが前提の議論になっていること、そして、そのプロセスの丁寧さが(飽きるほど?)おわかりかと思います。

この議事録は翌月の同会議で出席者から同意を得たうえでアップされています。
ですから、第10回、第11回(8月、9月に開催)の議事録はまだアップされていません。
更新されしだい、ご案内します。

ちなみに、現在のあいりん総合センターが1970年に建てられた際は、今回のような労働団体や地域住民団体も参画してかくも忍耐力の要る議論を重ねるという、(住民や支援団体側からすれば)民主的なプロセスだったでしょうか。時代の制約があったし、地域・団体の側もそこまでの参加意識、まちづくり意識は無かっただろうと私は推察しますが、そういう状況の中で建てられたものです。
重要な点ですし、隔世の感があります。

また、西成区役所のホームページ(=「あいりん地域まちづくり会議の議事概要」という箇所)では、本体会議である「あいりん地域まちづくり会議」に関するすべての記録(議事録も含む)や提出資料、それに動画までを閲覧できます。

どうかご利用いただき、この会議の行方を正確にお見守りください。
そして、地域のお一人お一人や周囲の方々にもぜひ正確な情報をお伝えください。
                                                 以上


  第5回あいりん地域まちづくり会議の報告、及び関連情報へのアクセス案内
Date: 2016-09-08 (Thu)
酷暑のなか、皆様いかがお過ごしですか。
それもあって、発信がずいぶん遅れましたが、重要なお知らせです。

去る7月26日に西成区役所で、松井大阪府知事や吉村大阪市長も出席のもと、第5回あいりん地域まちづくり会議が開催され、あいりん総合センターの耐震強化等の課題に伴う建て替えやそのための移転・仮移転について大きな決定がされました(以下)。

○あいりん総合センター上階部分の市営住宅(第一住宅)は、居住者の意向を踏まえて、すでに隣りの萩之茶屋小学校跡地(西側部分)への移転が決まっていたところです。
○今回それに加えて、大阪社会医療センターも同校跡地(南東部分)への移転が決定しました(中身の充実や規模についてはこれから固めてゆく)。
○労働施設(西成労働福祉センターやあいりん職安等)は現敷地内での建替えが合意されていますが、解体と建て替え工事期間中の仮移転先を西隣りの南海電車高架下とすることが今回合意されました。仮移転の時期は2019年度(平成31年度)と想定されています。
○遅れて話し合いが始まった第2市営住宅の住民の話し合いもかなりの実質的進展があったと当日の会場で居住者等から報告されたことと併せますと、流れは大きく動き出しました。この決定を受けて、行政(市・府・国)も来年度予算編成に向けていっせいに動き出すようです。
○ただし、労働施設の本移転(2023年度/平成35年度)に向けた、あるべき中身(新紹介システムや未来にふさわしい就労支援のあり方等々と、それに伴う建物の規模や位置)の議論をこれから2年程度の時間をかけて精力的に積み重ねていくことになります。
○駅前活性化部会の議論はこれからです。

○これだけの多人数としかけですから議論がなかなか進まないこともあり、情報発信が遅れがちでした。私たち委員側もこの点は指摘し続けてきました。
このたび、この点でかなりの改善がされましたので、みなさんにまとめて紹介します。

<1>西成区役所のホームページで、あいりん地域まちづくり会議の第1回会合から今回の第5回会合までのすべての情報がアップされています。
参加委員名簿も発言議事録も提出資料も、労働施設部会等の資料も全部見れます。
動画も全部そろっています。
膨大な量ですが、一度その全概観だけでもスクロールしてご覧ください。
http://www.city.osaka.lg.jp/nishinari/page/0000313493.html
↑のページの下の方に、直近第5回会議の議事録等を掲載しております。
<2>その中に「あいりん地域まちづくり会議ニュースレター(冊子)」というのもあります。
これはインターネットではなかなか情報にアクセスできない地域日雇い労働者や生活保護受給者、野宿生活者等々のために手渡し配布用として西成区役所が作成したものです。作成要請をしてきたのは私たちの側です。
この続編もまもなく発行、配付されるはずです。
今何が起こっているかをまちの隅々の一人ひとり、とりわけあいりん総合センターの利用者のみなさんに情報(まずは正確な事実関係)を届け切るのは行政だけでなく、各支援団体・施設においても絶対必要なことと考えます。ご協力ください。

<3>それに加えて、8月13日〜15日まで三角公園で開催された第45回釜ヶ崎夏祭りの会場でも旧シェルター(臨時夜間緊急避難所)の壁に、第5回まちづくり会議の到達点報告や関連文書を区役所が掲示しました。
⇒これは、このメールに添付しておきます。
 ファイルを開けられない方は個別に送りますから、ご連絡ください。

<最後に>
○上記ホームページには各回ごとに出席委員名簿があります。総計35人にのぼるこれだけの人々(町会長さんや労働者支援団体代表等)による、たいへんな会合であることがよくわかると思います。
○もともと1990年代末から労働者サイドで始まっていたまちづくりの動きが、2005年に始まっていた町会サイドのまちづくりの動きと2008年に合体し(⇒萩之茶屋まちづくり拡大会議として定着)、2012年に登場した橋下市長の「西成特区構想」が乗っかるかたちで、地域ぐるみの話し合いは進んできています。2012年から「あいりん地域まちづくり検討会議」(萩之茶屋小学校体育館を使用)を経て、2015年から今日の「あいりん地域まちづくり会議」に発展してきました。
行政と住民間、住民と住民間で、(もしかして行政と行政の間でも)、まずはお互い何者であるかを知るところから始まり、合意点をさぐっていく、実に忍耐と努力の要るプロセスです。
今どきの日本で、ボトムアップ型・直接民主主義型でこれだけのことにチャレンジする「元気」な地域がどこにあるでしょうか。
私たちはこうした包摂力という良き側面を決して失わないまちづくりをめざして、この会議の中で発言、推進をしていきます。
皆様の引き続くお見守りとご理解、ご協力、そしてまちづくりへのご参加を心からお願いするしだいです。
以上

  2016年7月まちづくりひろばのご案内
Date: 2016-07-09 (Sat)
<通算207回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
〜前西成区長・臣永正廣さんの慰労を兼ねたまちづくりひろば〜
@ 引退した今だから語れる、2012年〜2016年の西成での出来事。そのオモテ・ウラ・葛藤・人々の努力。
A あいりん地域まちづくり会議の議論の最新報告(西成労働福祉センター&職安の仮移転先やその概要、そして本移転への課題)
    語り手:@は、今は徳島の山の中の隠遁者、臣永正廣さん(元フリーライター)
        Aは、同会議参加の各地域委員を中心に(場合によっては、区役所から直接)

-----------------------------------------------------------------------------------------
▼日時:2016年7月28日(木曜日) (18:00会場)18:30 〜20:45
▼会場:大阪市立大学西成プラザ(太子福祉館 3階)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」及び「Kama Pub」(新開店)のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ引き開き、中へ入る。(ただ、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)
(百円ショップは2014年に閉鎖となりました)。

▼主催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

▼参加予約:不要

【テーマ設定趣旨】
 その前に先月のまちづくりひろばの簡単な報告を。
「民泊解禁が地域コミュニティにもたらす、住宅費高騰などの危険な兆候、そのあいりん地域版」という内容でした。
案の定、どこで聞きつけたか、実にさまざまな所から多くの方がおいでになりました。
カラオケ居酒屋ラッシュ等を惹き起こしている華僑社会の中国人研究者もお見えになり、初めて内情が語られると同時に、今後の情報交換などに役立つことが期待される内容となりました。

今回は打って変わって、標題のとおりのゲストです。
臣永さんは一言でいえば、初の民間公募区長として、西成区役所と地域(我々的には、あいりん地域)住民との距離を劇的に近づけました。
元フリーライターらしく、この方はどこにでもフットワーク軽く、姿をお見せになりました。
支援団体とともに野宿生活者の夜回りに何度も参加されたのには腰を抜かされましたね。
当まちづくりひろばにも「通りがかったので」と言いながら、何度も参加されました。

この春からは、「郷里である徳島県の山中で、築100余年という古民家に居を移し、棚田も借りて、自給自足の晴耕雨読の生活」に入られたとか。
徳島県那賀川町長経験も経たのち、思いもかけず西成の地、しかもまちづくりが複雑にうねる釜ヶ崎奥深くに飛び込むことになってしまったフリーライター氏が見た、大阪市行政や西成のまちづくりの内側はどのようなものだったのか。
そのオモテ話、ウラ話、葛藤、そして人々(役所の中も含む)の大いなる努力。西成の人々の生きようとするエネルギー。
今は私人として、縦横に語っていただきます。
楽しみですね。
行政関係者にとってはたいへん「危険な臭いのする夜」かもしれませんが、その役所のみなさんも含めて、どうかみなさん、お気軽にお立ち寄りください
参加予約など要りません。

終了後は、階下のKama Pubがちょうどたこ焼きかお好み焼きイベントの日なので、その場を懇親の場としましょう。

  2016年6月まちづくりひろばのご案内
Date: 2016-06-05 (Sun)
会場は今回も太子福祉館3階(大阪市立大学西成プラザ)です。お間違いがありませんように。

<通算206回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
民泊普及等が引き起こす地域的インパクト。
今、土地・家屋をめぐって釜ヶ崎内外では何が進行しているか。
情報を持ち寄る、オープンな学習会
      
報告者:
松村嘉久さん(阪南大学国際観光学部教授)
            杉浦正彦さん(萩之茶屋地域周辺まちづくり合同会社調査員)
+ビデオ参加で水内俊雄さん(大阪市立大学都市研究プラザ教授)
            +追加予定

-----------------------------------------------------------------------------------------
▼日時:2016年6月22日(水曜日) (18:00会場)18:30 〜20:45
▼会場:大阪市立大学西成プラザ(太子福祉館3階)
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」及び「Kama Pub」(新開店)のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ引き開き、中へ入る。(ただ、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)
(百円ショップは2014年に閉鎖となりました)。

▼主催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
 (後援申請予定):大阪市立大学都市研究プラザ 西成プラザ
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

▼参加予約:不要

【テーマ設定趣旨】
 民泊とはご存知ですね。訪日客ラッシュの中でホテル・旅館などが足りないために、また一方で国内に増え続ける空き家対策としても、一般の住宅やアパート・マンションでも泊められるように規制緩和する、国や自治体の施策です。
世界的にはAirbnb(エア・ビーアンドビー)という仲介サイトなどがあり、登録さえすればきわめて手軽に利益をあげられる、実に「便利」なしくみです。
いわば宿泊業の“白タク”解禁というところ。これが日本国中の不動産物件所有者(大企業から街のオッサンに至るまで)に「おいしそうな」インパクトを与えているのはご承知かと思います。

釜ヶ崎は国内の問題がいち早く現れる街です。
この界隈でもすでに少なくとも20軒はあるようです。

これに先行して、中国人投資家たちによる「カラオケ居酒屋」の出店ラッシュ。この界隈ですでに100軒を超すといわれます。聞くところでは、中国系不動産屋と改修工事の工務店等が組んで、わずか140万円程の初期投資で簡単に開店できる“ワンストップ型”の爆買いシステムが在日中国人社会にできているとのことです。
そこへ、民泊問題が加わりました。
また一方では、西成区は大阪市24区のうち、5年間で1万人減という、最も人口減の激しい区です(2015年国勢調査速報値)。
特にあいりん地域は行政等によって人為的に誘導されて形成された「男の街」だけあって、どこよりも早く、高齢化による「多死時代」に入りつつあります。
さまざまなことが関連し合って、街は日々うごめいています。

基本的な向き合い方は地元住民によるまちづくり強化であることも明らかでしょう。
15年も前から、「高齢者でも、一人でも、住み続けられるまちづくりをめざして」、それに最近の地域ぐるみの議論では「家族持ちでも住み続けられるまちづくりをめざして」を加えて、さまざまな団体・個人が支援住居や仕事づくりを、地域総体として重ねてきたことは実に正解だったのです。
もし何もしなかったら、とっくに貧者が街から排除されているでしょう。

問題はむしろ、地域の側にまだ力が足りない、全く力が足りない!ことです。
たとえば、土地・空き家物件等を住民の立場で活用し合えるように発案や仲介等をする本格的なまちづくり公社を官民で起ち上げることも対抗策の一つでしょう。
が、これなどまだまだ道は遠いように思われます。
急速に進んでいるようである不動産等の流動化については実体すらつかめないでいるのが現状です。
「どうなっているのだろう。とても不安だ」という声も聞こえるようになりました。
ですから、これまでわかっていることの情報交換、情報共有から始めなければなりません。
そのためのまちづくりひろばです。
多くの人には「知らん間にここまで事態は来ていたのか(汗)」という、驚きの情報交換となるでしょう。

参加予約など要りません。
お気軽にお立ち寄りください。

  2016年5月まちづくりひろばのご案内
Date: 2016-05-07 (Sat)
日程:5月18日(水曜日)(開場18:00〜20:45)
会場:大阪市立大学西成プラザ(詳細は下記案内)
★内容盛りだくさんのため、メインテーマは15分繰り上げて、18:45には始めます。

<通算205回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
久しぶりなので、内容多彩。欲張りました!

1)このところの『あいりん地域まちづくり会議』諸会議の内容報告と質疑(40分)
報告者:
(調整中を含みます)
 あいりん地域まちづくり会議(本会議と専門部会)関係者 
・地域委員(住民団体、労働者支援団体、有識者委員)有志
・大阪市役所(福祉局)、及び西成区役所(事業調整)の担当の方々
・大阪府商工労働部労政課の担当の方々(声かけをします)

【ポイント】
 徹底的なボトムアップ型のまちづくりをめざしているにもかかわらず、正確な情報を、迅速に、一人ひとりに届けきれないもどかしさがあります。
このひろばへ来ていただければ、それがナマで、まとまったかたちで、取り組み現場の空気まで含めて、包括的に入手できます。
そのためにだけでも、どうぞ幅広い方々がお気軽にご利用ください。

2)2つの新旧東京オリンピック工事にからめて、釜ヶ崎・日雇い労働市場の行方を今一度考えてみる。

@始めて語られる建設下層労働力&雇用会社群の首都圏集中の実相(生報告)(40分)
 報告者:
 水野阿修羅さん
(日本寄せ場学会運営委員、あいりん地域まちづくり会議委員)

【ポイント】
建設労働力の極度な不足の中で、ゼネコンも首都圏に職人層の宿舎開設等で対応しようとしています。
一方、釜ヶ崎など伝統的な日雇い労働市場で雇用のノウハウを身に着けた建設下請会社も巨大宿舎を首都圏に広域的に開設しているようです。
労働者は全国区型で集めているのでしょうか。熊本地震復旧・復興工事にもこのような機動的な手法が展開されるのでしょうか。
この謎の部分を水野さんは直接踏査して、実態を把握して来られました。ある意味、本邦初の、衝撃的な内容です。

A旧東京五輪に先行する山谷周辺地域等の変容過程を今一度、学んでみる(40分)
(釜ヶ崎の紀州街道に相当する日光街道沿いの地域変容の歴史)
 報告者:
 吉村智博さん (大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員)

【ポイント】
内容について吉村さんご自身のメールから。
<近現代都市政策の視点からすると、大阪・釜ヶ崎と東京・山谷はその歴史性は非常に近似している。もちろん、江戸から「首都」へと変転した東京と、上方から「民都」へと転成した大阪では、その背景は異なるけれど、スラム、部落、寄せ場、遊廓などと一体となった地域形成という点では、国家、地方公共団体、地域社会のそれぞれの位相の力学が作用しているように思える。
双方の地域的特徴を比較することで、1920年代〜60年代あたりにフォーカスして、寄せ場の歴史的形成過程を概観してみたい>

3)終了後のお楽しみ
ちょうどこの日(毎週水曜日)は西成ジャズが21:30から、ひろば会場を1階に降りた「Kama Pub」にて楽しめます。
久しぶりの再会や意義ある出会いなど、懇親の場として愉快に過ごせます。
ライブへの謝礼は「投げ銭」方式でご協力ください(金額は自由)。
西成の街に勃興する一流アートへの支援にもなります。

-----------------------------------------------------------------------------------------
                           記

▼日時:2016年5月18日(水曜日) 18:30 〜20:45
▼会場:大阪市立大学西成プラザ
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」及び「Kama Pub」(新開店)のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ引き開き、中へ入る。(ただ、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)
(百円ショップは2014年に閉鎖となりました)。

▼主催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
▼後援:大阪市立大学都市研究プラザ/西成プラザ
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

▼参加予約:不要

  2015年12月まちづくりひろばのご案内
Date: 2015-12-12 (Sat)
変則的な開催です。会場などくれぐれも、お間違いなく。
日程:12月21日(月曜日)18:30〜20:45
会場:大阪市立大学西成プラザ(西成市民館ではありません)

<通算204回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
〜近く開催予定の第4回『あいりん地域まちづくり会議』の内容の最新報告と、
(今度もやっぱり)ボトムアップをめざす討論のひろば〜
・新市長・知事のもとでのセンター建替え等の動きはどう進んでいるか?
・私たちはハードとソフト両輪で議論を前に大きく動かそう。

報告者:
(調整中を含みます)
  ▽大阪市本庁(福祉局)、及び西成区役所(事業調整)の各担当の方々
  ▽大阪府商工労働部のあいりん地域担当部署の方々(参加依頼を予定)
  ▽あいりん地域まちづくり会議(本体)の地域住民委員、及び4つの部会の座長(有識者委員)等
  ▽(地域内8労働団体で構成する)労働団体グループのメンバー有志 
  ▽その他

第4回会議開催日のプレス発表は12月14日(月)のようです。すでに35人の地域委員等には出席の打診がされています。
この委員さん達以外の、広い意味での地域住民・支援者・協力者の方々も各担当役所からの説明をしっかり聞け、意見を述べられるように設定しました。
 ご存じのように、このまちづくりひろばの特長は、組織を背負わず個人の自由な立場での創造的な議論ができることです。
これまではあいりん総合センター内の各施設や住宅(ハード)の再配置先論議が中心でした。耐震強度の問題もあるので急ぐからです。本会議はまだこの段階です。
しかし、この場では各施設の将来に向かってあるべき新機能論に思いっきり踏み込んでみませんか。これは比較的時間をかけられる議論だからです。両輪が必要です。
<例>
* これからのあいりん地域全体の就労支援のあり方は?
⇒その中で、新・労働福祉センターに求められる役割は?
* 結核対策や精神科の強化って具体的にはどうすること?
⇒新・社会医療センターに求められる役割は?
* そもそも、なぜあいりん地域が形成された?これからのこの地域はどんなイメージ?
  ⇒これまでの高齢者が住み続けられると同時に、あるべきこれからの新・住宅論は?

そうした議論を地域中から集約する中で、各ハードの再配置に必要なスペース・場所・存在形態を確定し、かつ、「数年間のセンター仮庁舎」の諸条件や候補地の問題も確定していくという流れを促進することが必要です。
再生フォーラムとしては、それらについてのみなさんのご意見をあいりん地域まちづくり会議(本会議)に反映させていきます。
どなた様もお気軽にお越しください。

*なお、「地域内の“居場所”のあり方を考える」シリーズ(その3)は、
「三徳寮・談話室」にプレゼンを依頼予定です。変更の可能性もあります。
18:45〜から15分間程度を予定。
あいりん総合センターが「居場所」としても機能している実態から派生した、まちづくり課題としての取り組みです。

-----------------------------------------------------------------------------------------
                           記

▼日時:2015年12月21日(月曜日) 18:30 〜20:45
▼会場:大阪市立大学西成プラザ
⇒JR「新今宮」駅東出口(通天閣側出口)または地下鉄「動物園前」駅の太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」及び「Kama Pub」(新開店)のある太子中央ビル3階。
出入り口ドア(オートロック)前で、インターフォンで「302」+「呼出」ボタンを押し、応答があればドアを「外」へ引き開き、中へ入る。(ただ、当日の時間帯は開けっ放しにする予定です)
(百円ショップは2014年に閉鎖となりました)。

▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
     (申請中)大阪市立大学都市研究プラザ 西成プラザ
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com

▼参加予約:不要

  2015年11月まちづくりひろばのご案内
Date: 2015-11-05 (Thu)
 直前の、急な設定となりましたが、なにとぞよろしくお願いいたします。

<通算203回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
〜『あいりん地域まちづくり会議』第2回、第3回会合の報告と討論のひろば〜

市長・知事まで出席の、センター建替えの議論はどこまで行ったか?
選挙結果いかんに関わらず、今後の進め方はどうなる?私たちはどうする?
報告者:
(調整中を含みます)
  ▽西成区長、同事業調整担当課長をはじめ、市・区の各担当部署職員
  ▽まちづくり会議(本体)の地域住民委員、及び4つの部会の座長(有識者委員)等
  ▽(地域内8労働団体で構成する)労働団体グループのメンバー有志 
  ▽その他

*前回ひろばからの「地域内の“居場所”のあり方を考える」シリーズは、今回は「おしゃべりサロンHESO」を開設している「NPO法人ヘルスサポートひなた」さんに語っていただきます。
18:45〜から15分間程度を予定。
あいりん総合センターが「居場所」としても機能している実態から派生した、まちづくり課題としての取り組みです。

-----------------------------------------------------------------------------------------
                           記

▼日時:2015年11月10日(火曜日) 18:30 〜20:45
▼会場:西成市民館(3階講堂)
⇒西成警察署西隣りにある通称四角公園(萩之茶屋中公園)の西隣りにある、黄色い壁の建物 
▼主催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com
▼参加予約:不要

▼企画趣旨 & 状況報告
あいりん総合センターの建替えをめぐって、「あいりん地域まちづくり会議」の第2回が10月19日に、第3回が10月29日に、西成区役所で開催されました。
6月11日の第1回会合以後の「停滞」を経て、市長・知事ダブルの任期終了前のあわただしくも、水面下での波乱を含んだ、連続開催でした。

昨年秋の経過を踏まえて、今回のステージからは傍聴席無しで運営されていますが、マスコミはたくさん取材に来て、テレビ等でも報道されています。
同会議の進行と並行してライブでパブリック・ビューイング(PV)を設けるという代替措置もされています(音声や映像の出来が今一つのときがあるようです)。
また、ユーチューブにはこの会議の模様がアップされていますので、ぜひウォッチしてください。

第2回(Voice of Nishinari):http://vonishinari.net/shadooon/?m=20151024
第3回(市長・知事出席):https://www.youtube.com/watch?v=xT_-MGxmLw0

釜ヶ崎110余年の歴史の中で、市長と知事が同時に現地に来て、国(大阪労働局)も加わり、昨年秋から継続の35人の地域委員の議論に加わる(単にあいさつだけではない)というのはかつて聞いたことがない展開です。
それだけ、あいりん地域、とりわけあいりん労働センターを建て替えて、新今宮駅前一帯の(労働・住宅・医療施設の)地域資源をどう再配置・再デザインし、新しい時代に機能強化させていくかという問題は、大阪市政、大阪府政全体の重大課題であることを証明しています。

どこかにシナリオがあると思っている方がまだおられるかもしれませんが、正直な話、シナリオ無き展開の真剣勝負となっています。ハラハラ、ドキドキの連続です(汗)。
「(あいりんセンターの耐震の問題も、建て替えの問題も、移行期の問題も)もうこうなったら、ここで地元の皆さんに理解をもらって進める道しかない」と府や国もついに腹をくくったようです。
こうして、関係者がずらりと揃った、地元での会議体での議論が最大限に尊重されて決定がされていくというスタイルが確立されたこと自体、「西成型」まちづくり民主主義として世間からもっともっと評価されていいと思います。
その分だけ時間がかかりますが、民主主義の証しでもあります。

私たちは私たちで、役所におまかせではない、徹底したボトムアップ型のまちづくりを最初からめざしてきたわけですから、今回もその内容を緊急に地域に報告・説明し、議論し、それをまたこの「まちづくり会議」へフィードバックしなければなりません。
それが緊急開催の理由です。
選挙中で微妙な時期でもありますが、厳正に中立的な立場を貫くことはまちづくりではもともとの基本です。
直前の発表になりましたこと、どうかご容赦のうえ、どなた様も、お気軽にご参加ください。

  2015年9月まちづくりひろばのご案内
Date: 2015-08-16 (Sun)
 灼熱地獄のニッポンの夏、いかがお過ごしですか。
秋への入り口はもうすぐです。がんばりましょう。

5月ひろば(住宅扶助引き下げ問題への対応を議論)以来、このまちづくりひろばも3ヶ月お休みをいただいています。
休んでみると、逆にまちづくりひろばが果たしている貴重な役割が明らかになってきたと感じます。
「いったい今、センター建替え問題をはじめ、あいりん・西成のまちづくりはどないなってんねん?」「まちづくりひろばが無いとさっぱりわからん」「もう終わったんかい?」
もちろん、終わってなどいません。
実際は、
(1)秋には市長交代かという政治的変化を見据えて、政治も役所内もあるいは浮足立ち、あるいはサボタージュの好機として、全体の空気が凪(なぎ)の状態になっている。
(2)市長が誰になろうが、もはやたくさんの事業が行政が責任をもって推進すべきものとして組み込まれており、実際いくらかは進んでいるのだが、役所内がバラバラに取り組んでいる。行政の中にも司令塔が機能していないように見える。
(3)かく言う地域の側も、たとえば毎月開催だった当まちづくりひろばがこの3月の200回記念ひろばを区切りに不定期開催となったことで、全体情勢が集約される場が開かれないでいたりする。
(→仮称萩之茶屋まちづくり拡大会議は相変わらず活発に議論やチェックをしていますが、まちづくりひろばのように誰でもが参加できるわけではありません)。

こうした状況を打開するためにも、秋口早々には以下の内容で、まちづくりひろばを開催します。
行政関係者、労働団体等にも出席の呼びかけをしていますが、手ごたえが十分にあります。
報告&質疑事項が多岐にわたるため、ふだんより15分早めて18:45には本題に入っていきたいと思います。
参加の予約など要りません。
どなた様もお気軽にお立ち寄りください。

<通算202回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
釜ヶ崎のまちづくりの各プロジェクトをもう一度束ね直し、ねじを巻き直す“あいりん地域まちづくり総合チェックひろば”を開催し、元気な秋へ突入だ。
〜それぞれの取り組みは今どうなっているの?どうしてゆくの?〜
■総論的に
以下、順次検討していくさまざまな状況の底流にあるもの(障害や拠りどころ)は?
■各論
▽あいりん総合センター建替え問題は?
あいりん地域まちづくり会議の4つの部会(@市営住宅 A大阪社会医療センター B労働施設 C駅前機能)はそれぞれどうなっている?
   ⇒部会@:早く移りたいで一致の第一住宅居住者。大阪市担当部局の動きは?でも、ただ「普通の市営住宅」で急いでいいの?気になる存在「萩之茶屋小学校跡地活用委員会」とは?連携は大丈夫?
部会A:この部会はいつのまにかどんどん開催されているらしい・・。逆に、途中経過のアナウンスは無くていいの?
部会B:労働団体が当部会へ委員として参加することを認めるよう、地域内6〜8労働団体がまとまって、8月3日に区役所へ申し入れ書提出。しかし、その要望を受け入れるかどうかの決定権を持つ国や府への直接的働きかけはどうする?
   部会C:部会Bが動かないと独自には動けない?どうするの?

  以上と並行して進んでいる、国による同センター耐震強化調査(9月30日に結果報告書が出る)との関連はどうなるの?ヘタしたら耐震強化工事をして、建替え問題は何年も棚上げ?そんなことが今さら許される?

▽エリアマネジメント協議会はあいりん地域まちづくり会議進行の陰で休会中なのは、しかたない?

▽子供関連で、プレーパーク事業の進展具合は?ネックは何?

▽あいりん地域モデルケース会議の定着程度や実施効果は?連携をとるべき「はぎサポート」(西成区での生活困窮者自立支援事業)はどうなっている?お互いの連携は?
   
▽ようやく建て替え工事着工にこぎつけた新シェルターの全体設計は?いつから、どんな利用ができる? 

▽ひと花センターは、シェルター建て替えの玉突きで旧東田保育所家屋(旧市更相北隣り)に7月に移転後、何が変わる?今後の課題は?

⇒なお、当まちづくりひろばでは開催回ごとに「あいりん地域の居場所機能総チェック」リポートを挿入していく予定ですが、ついでがいいので、今回はひと花センターをフォーカスしたいという希望があります。いまやあいりん地域での有力な居場所機能の一つとして現状や課題の報告をお願いする予定です。
 
▽西成情報アーカイブは元・弘治小学校校舎に近く移転するそうだが、これまでの評価や今後の可能性、そして課題は?

▽SHINGO☆西成さん・アーティスト等が地元の子供たちと組んで推進する「西成ウォールアート」は、次の「作品」はどこの壁に、何を描く予定?
(特区構想には直接にはからんでいないのですが、この機会に、ご披露してもらいませんか)

▽いまみや小中一貫校の予想以上の(・・・失礼)元気ぶりが聞こえるが、何が、どのように?
▽通学路確保問題、覚せい剤取り締まり強化や監視カメラ問題、露天での違法物品販売取り締まり問題のその後は?
警察には住民の手によるまちづくりの動きにどう歩み寄ってもらうかがカギだが、最近の変化は?
▽あいりん地域環境整備事業はまちづくり合同会社への委託等で今、どのようになっている?
今後の課題と方向性は?

▽(時間があれば、次回ひろばの予告の意味も兼ねて)
以上のような地元住民によるまちづくりの動きがあっても、ある日ちゃぶ台返しのような形で表面化するかもしれないと危惧されつつあるのが、中国資本その他による不動産(空き家や簡易宿所、土地)買収の猛スピードぶり。ジェントリフィケーション監視の立場からも情報交換と警鐘乱打が必要。

報告者(リレートーク方式で):
各取り組みの推進メンバー(調整中または交渉予定を多く含みますが、多くが参加了承の方向にあります)
  ▽鈴木亘大阪市特別顧問(西成特区構想担当)
  ▽まちづくり会議(本体)及び各部会の地域住民委員、推進有識者委員
  ▽各事業受託NPOs、社会福祉法人、まちづくり合同会社等のメンバー
  ▽労働団体メンバー
  ▽西成区長、同事業調整担当課長をはじめ、区・市の各担当部署職員
  ▽その他
-----------------------------------------------------------------------------------------

▼日時:2015年9月8日(火曜日) 18:30 〜20:45
▼会場:西成市民館(3階講堂)
⇒西成警察署西隣りにある通称四角公園(萩之茶屋中公園)の西隣りにある、黄色い壁の建物 
▼主催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com
▼参加予約:不要

  <緊急中継>6月11日(木)夜開催の新・あいりん地域まちづくり検討会議
Date: 2015-06-11 (Thu)
昨年9月〜12月に開催された「あいりん地域まちづくり検討会議」の新ステージが、今夜始まります。

ようやくという感もしますが、「あいりん地域まちづくり会議」と題されて今夜7時から、西成区役所で、

その第1回目が開催されます。

→西成区役所のホームページに広報されています。


今度は傍聴席無しとなるようです。

そのため、『ボイス・オブ・西成』が、区役所の協力のもとに、ustream配信で、同時中継することになったもようです。


ご覧になりたい方は、このURLをクリックしてください。

http://www.ustream.tv/channel/voice-of-nishinari

なお、ユーチューブに上げるものは別立てで、後日Upされる予定とのことです。

  2015年5月まちづくりひろばのご案内
Date: 2015-05-25 (Mon)
                                    
                     <再掲載版として一部修正>
  
大阪都構想の住民投票結果を受けて、あいりん地域の取り組みはどうなっていくのかという情報交換の必要性に加えて、折しも川崎市での簡易宿所(生活保護受給者等多数が死傷)事故も飛び出し、結局、このひろばもけっこうタイムリーな日程とテーマになったように思えます。
今は、話し合うべきことが山のようにあるような気がしますよね。
「転用型福祉アパートの再簡宿化」という新しいテーマと発案者も追加しました。
私たちは、誰が市長を辞め、誰が新たに就こうが、引き続き地域での議論をコツコツと積み重ねていくだけのことです。
お気軽にお越しください。

 なお、会場は西成市民館ではありません(月曜日なので休館)。
会場の大阪市大西成プラザには入る方法がややこしくなっていますので、文中の▼印の部分をよくお読みください。
来られたら、(張り紙で)わかるようにはしておきます。

<通算201回目 Since 1999> 
-----------------------------------------------------------------------------------------
「住宅扶助切り下げ」問題の影響と対応策を考える夕べ
〜西成区&あいりん地域の新旧住宅問題を広く深くえぐりながら〜

 リレートーク:
  ▽当問題の全国調査グループから
                     水内俊雄さん(大阪市大・都市研究プラザ教授)
                     菅野 拓さん( 同調査メンバー)
                     四井恵介さん( 同調査メンバー)
▽支援付き住宅の現場から   山田尚実さん (NPOサポーティブハウス連絡協議会)
 ▽行政関係者(西成区役所に呼びかけ中)
 ▽転用アパートの再簡宿化の課題をどう考えるか 
                     松村嘉久さん(阪南大学国際観光学部教授)

-----------------------------------------------------------------------------------------
▼日時:2015年5月25日(月曜日) 18:30 〜20:45
▼大阪市立大学西成プラザ 
⇒入場のしかたにご注意! 
JR新今宮駅または地下鉄動物園前駅すぐの太子交差点・南西角にある定食屋「宮本むなし」の入居ビル(太子中央ビル)の3階。
旧来の百円ショップ「フレッツ」は閉鎖されたため、道路側のドアから直接入ってください。
オートロックですので、遅れて参加の方は、インターフォンで「302」+「呼出し」を押し、主催者側から応答があれば、ドアを「外側へ」引き開けて、入ってください。
▼共催:釜ケ崎のまち再生フォーラム
     大阪市立大学 都市研プラザ(西成プラザ)
▼参加費:資料代として300〜500円程度の寄付をいただければ幸いです。
       日雇い労働者・野宿生活者・生活保護やそれに準ずる方々などは不要です。
▼お問い合わせ:事務局(ありむら)まで
 携帯電話090-8448-0315
e-mail:kama-yan@sun-inet.or.jp
URL : http://www.kamagasaki-forum.com
▼参加予約:不要

▼テーマ設定趣旨 兼 地域状況報告  (長文ご容赦)

1)
7月1日から実施と国が決定した生活保護の住宅(家賃)扶助の切り下げは西成・釜ヶ崎地域にはさまざまな波紋を広げそうです。生活保護受給者の暮らしの質から、ゼロゼロ物件等を含む不動産市況のありかたにまで。
そこで、この問題で情報を共有し、対策を考え、何らかのアクションにつなげていく作業が必要と判断しました。日程は、諸事情で変則的に、5月25日(月)夜になりました。
お気軽に、ご参加ください。

2) More information
厚労省が決定した住宅扶助の切り下げの大阪への影響は、私たちが聞いているところでは、
@ 限度額が、現行の42,000円から一律に40,000円に減額される見込み 
A それに加えて、狭小住宅については、面積により、10%〜30%の減額率が適用される見込み。ちなみに、サポーティブハウス等の場合は、設備等から判断して、適用されるとしてもおそらく10%までではないか。
B Aの適用外(面積要件による減額がされない)がありうる。しかし、この要件は、国の通知で示されてはいるものの、その要件が釜ヶ崎ではサポーティブハウス等が含まれるかどうかは要件の解釈によるところであり、解釈は今後、国や大阪市福祉局から示される可能性があること。
という内容です。

一般市民の方なら、「デフレが長く続いたこの時代、物価下落に合わせて生活保護でも家賃扶助等が下がるのは当然じゃないの!」と思うことでしょう。
しかし、西成・釜ヶ崎地域だけでなく、全国の多くの生活困窮者支援団体でもこれが重大な問題になるのは、居住者への生活サポートをするスタッフの雇用費がこの家賃扶助から捻出されている実態があるからです。
本来なら介護保険制度のように、生活支援する場合はその支援メニュー毎に別途料金が支払われるしくみ(=ケアの対価)があればわかりやすいのですが、現実にはその制度がないので、家賃収入からスタッフを雇ってまでがんばって支援している良心的なところほど打撃を受ける構造です。
支援をつけていない住居は住居で、後述のように別の影響があるでしょう。
ですから、支援スタッフを減らしたり(解雇)、居住者へのサービスを削ったり(たとえば、入院見舞い等を減らしたり無くしたり)、もはや経営が成り立たないとして廃業したり、その物件を売却したり、という出来事がドミノ的に起こるわけです。
実際、釜ヶ崎ではすでにこの兆候が出ていて、支援事業から手を引く簡易宿泊所(簡宿)経営グループが出てきています。放置される単身高齢者たちはどうなるのでしょうか。
このように、生活保護受給者の問題、経営者の問題だけでなく、釜ヶ崎では「住宅扶助減額⇒廃業」難民が大量に出るかもしれない、すぐれてまちづくりの問題なのです。
ですから、地域全体で考えないといけない課題なのです。おわかりでしょうか。

 西成・釜ヶ崎特有の事情もあります。大阪市が簡宿業態のままでは生活保護の人の受け皿として認めていないため、ホームレス問題への居住支援&生活支援を可能にするには簡宿をアパートに転用せざるを得なかったという、2000年からの経緯があります。そしてこれによって、5千人を超すであろう人々が野宿を脱したり回避することができたという経過を踏まえないといけません。ただし、生活支援をつけているサポーティブハウスとつけていない単なる転用アパート等がまだら模様に存在しています。

(長くなりますが、もう少し書かせてもらって、いただいて、よろしかった、でしょうか。汗、汗)
 なお、最近になって状況はもう少し複雑になります。
実は一方では、ご存じのように急増する訪日観光客の宿泊拠点街としては簡宿が足りなくなり、「アパート転用した物件を簡宿へ再転用できるようにしてほしい」というニーズも表面化しつつあります(今は、府条例で認められていない)。それができないと、「ヤミ簡宿」問題が起こることが、最近の覚せい剤密売人摘発事件でも示唆されました。
つまり、簡宿街としての再設計が必要な時期かもしれません。

また、あいりん地域を超えて西成区全体を見渡すと、土地価格の継続的下落、一般住宅家屋の空き家の増大、それを細かく区切って生活保護の人を住まわせることから来る問題、空き店舗等が中国資本と思われるところにどんどん購入されている実態等があります。
萩之茶屋小学校跡地に移転予定の市営住宅を子育て世代も住めるような設計にする目の前の課題もあります。
そもそも、居住水準の引き上げという古くて新しい、住宅問題の根本に立ち返った視点を忘れない事も不可欠です。
それらをすべて視野に入れた、広くて深い、検討の場とできれば幸いです。

参加の予約など要りません。
どなた様もお気軽にお立ち寄りください。

- Sun Board -